支給されたバッグを開けると、飲食物以外に小瓶があった。
小瓶の中には白い粉が入っていた。
説明書は付いていない。
小瓶をよく見ると、ラベルがあった。
ラベルには「これは遅効性です」と書かれていた。
遅効性という事は、何らかの薬だろうか?
「これ、使えるのか?」
Take2・深沢邦之は首を傾げながらも小瓶をバッグに入れて、夜道を走った。

「武器」として支給されたものが「白い粉の入った小瓶」だった者は
深沢以外にも数名存在した。
しかし、「小瓶の中身」は皆違っていた。
しかし、それを手に取った誰もが「白い粉」が何なのかは使うまでわからないのだ・・・


   ――――――――――


バカリズム・マスノは暫く歩いて見つけた空家で鼻歌を歌いながらシチューを作っていた。
(シチューに使う食材がその空家には揃っていた)
「できた♪」
鍋の中には、すごく美味しそうなクリームシチューが出来上がっていた。
マスノは満面の笑みで、そのシチューを食べ始めた。
「・・・一人じゃ食べきれないなぁ。タッパーに入れて持っていこうかな」
マスノの近くには血まみれのノコギリがあった。
そのノコギリは相方・松下の武器だった・・・。

夜が、明けようとしていた。午前7時にはたけしからの死者発表がある・・・


   ――――――――――


「なんだ、これ」
爆笑問題・田中裕二は池のほとりでバッグを開いていた。
バッグの中にあったのは手のひら大の小型の拳銃だった。
「本物かなあ」
拳銃など見たことのない田中には判断がつかない。
持ってみると、小さいながらもずっしりと重みがあった。
調子に乗って刑事ドラマのように拳銃を構えてみたが、
拳銃が小さいせいかあまり格好がつかなかった。
「ま、オレにはちょうどいいか」
田中は拳銃をポケットに収め、再び移動を開始した。
こんな状況で1人にしておくと何をしでかすかわからない
相方を見つけるために。


   ――――――――――


「重てーよこのバッグ」
そう言ってバックを引きずりながら
岩場・悪路・森の中を5時間程歩き回ったロンブー淳。
「いったい何が入ってんだろう?」
5時間経ってようやくのことだった。淳はバッグを開けた。
中には白い笑瓶が入っていた。笑瓶はもう動かなかった。
「どっかで頭を強く打ったんだな・・・」
淳はそのままバッグを引きずりながら再び歩きだした。


開始から2日間、教室に取り残されたままのロンブー亮。
「おれ、台本ないと何もでけへんねん。なぁ、誰か台本ないんかぁ。」
亮の情けない言葉が教室の中でむなしく響いた。
その時、たけしが現れた。
亮「たけしさん、おれ台本もらってないですよぉ。台本くださいよぉ。」
たけし「台本ならお前の後ろの机の中にあるだろ。」
亮「えー、ホンマですかぁ」後ろを向いて机の中をあさった。
すぐに本らしき感触を得た。
亮「あった、あった。これっすか台本」
手に取ってたけしに見せようと振り向いた瞬間、
亮のノドにナイフが突き刺さった。手に握られていた本が床に滑り落ちた。
たけし「台本なんて有るわけねぇだろ。それはリットンのネタ帳だ。」
たけしはネタ帳を拾い上げ、その場を立ち去った。


誰もが文字のごとく唯一の芸人の座を求めて
外では戦いを繰り広げている。

教室の前の廊下。静かだ。たけしの足音だけが響く…
人陰がいる。誰だ…みんな外に出たはずなのに…
「エラい身分なこった。世界の北野さん、だろ?」
たけしの過去の記憶を撫でるその声。

「…!!」


   ――――――――――


興奮を押さえきれず、森の中を奇声をあげて走り回る男、爆問太田。
「うひょ〜〜〜!!」
太田の手にはレーザー銃が握られていた。


しばらくすると、太田の前方から何かを引きずる音が聞こえてきた。
「ズザザザッ、ズザザザッ」
ロンブー淳だった。
そのまま淳は何食わぬ顔で太田の前を通り過ぎようとした。
その時、太田が口を開いた。


太田「お前、なに引きずってんだ?」
淳「笑瓶」
太田「ところで松本見なかった?」
淳「ゴルゴは見なかったなぁ。崖の方にいるんじゃねぇの。」
太田「ちげーよ、DTの方だよ!」
淳「あ、ああ岩場の方にいたよ。」
太田「あっそ。ありがとよ。じゃなっ。」

別れ際に、太田はレーザー銃を放った。
淳の左胸部に小さな穴が開き、少しの煙が立ち昇った。
淳はその場に倒れ、2度と起上ることは無かった。
レーザー銃は音も小さく、人に当ると血管が焼けて血も飛び散らない。
バトルロワイヤルらしからぬ、間抜けな絵であった。

太田は岩場に向かった。しかも、独り言を呟きながら。
「マツモト・・・マツモト・・・」


   ――――――――――


「なにしとんねんわれー!いてまうぞおらー!」
浜田は6人目をいてまった。
トップの意地。武闘派の誇り。全寮制の魂。
そして何よりも、彼が持つ武器はチャカ。
不思議な高揚感を身にまとった彼に、敵はいなかった。
しかしこれからはそうはいかない。弾がなくなったのだ。
急速に冷静になる意識の中、彼は死体から武器を探した。
「お、ええもんもっとるやんけ」
浜田は袋の中にサバイバルナイフを見つけた。
しかし袋の奥を覗いた瞬間、今までとは違う高揚感が彼を襲った。
浜田は身支度を整え、再び森の中を歩き出した。
ハリセンを構えて。


   ――――――――――


風が強い。波の音で岡村が海に落ちた音は聞こえなかった。
藤本は今までの岡村への恨みをこの手ではたせなかったことに苛立っていた。
しかし、これからどうするか考え始めた時だった。
「あ〜あ、もったいな〜。岡村の武器ごと落ちてもうたやん。」
驚いて声のした方を振り向くと、そこには相方・原西が立っていた。
「お前・・!!」
いつからここにいたのだろう。
岡村を殺そうと興奮していたので、原西の気配に気づけなかったのかもしれない。
「・・そいつも一緒に海に投げてやったら?」
原西が首だけとなった矢部を顎でしゃくって言う。
藤本は原西から目を離さないまま矢部の首を投げ捨てた。
見たところ、原西は武器をかまえてない。
おそるおそるたずねてみる。
「・・お前の武器は?」
「コレや。」
藤本は少し焦る。
自分の武器は今手にしている、矢部の武器だった柄の長い鎌。
あとポケットに入れてある自分の武器、バタフライナイフがある。
どちらも近距離、または中間距離でしか戦えないものだ。
しかし原西が手にしているものは、長距離戦で力を発揮するライフル。


原西との間は結構離れている。
戦ったとしても、間を詰めてる間にうたれてしまうだろう。
今のままでは、原西を殺してこの場を逃れることは不可能そうである。
とりあえず、話しをして原西がとりだしたライフルで
攻撃してこないような雰囲気にせねば。
「でも」原西が先に喋りだした。
「コレでお前を撃つ気はないぞ」
そういうと原西はライフルを地面に置いた。
藤本はまた驚いた。
このプログラムなら誰かと遭遇した場合、
和解して行動を共にするかどちらか一方または両方の死しかない。
こいつは99を殺している俺と一緒に行動しようと言うのか?
「・・どういうつもりやねんお前」


「・・俺と死んでくれ」
「?!何・・」
「こんなプログラムで生き残れるわけないやろ!!
 せやから、最後くらいはコンビでいようや。
 なぁ、いいやろ?俺と死んでくれ、なぁ!!」
ヤバイ。こいつ、狂ってんのか。
「アホか・・なんでお前と逝かなあかんねん!!」
藤本は走って逃げだした。
俺は生き残る。
生き残って俺一人でめちゃイケを仕切っていくんだ!
「逃げんといてくれ!!俺と一緒に・・一緒に!!!!」
いきなり、藤本の背中に激しい衝撃が走る。
「・・お前がにげるからや」
原西はかまえたライフルをおろした。
藤本の息はもう止まっている。
「お前がこの世界誘ったからこんなことになったんや。
 責任とれよ・・・」
原西は藤本のなきがらをかかえ、99の待っている海へと歩き出した。
 「藤本、むこう行ったらナイナイに謝ろな。」
原西の藤本へと向けられた言葉も、
風に飲まれて誰にも聞こえてはいなかった。


   ――――――――――


 数時間前。
有無を言わさず、ビートたけしによって殺し合を命ぜられ、
訳もわからないままの陣内は、投げつけられたナップザックの中身も確認せず、
ただ、ひたすら走った。
今まで、平穏な暮らしを送ってきていた彼には、まだ現実が受け止めきれて
いなかったのだ。
走って、走って、何かに躓き、派手に転んで、ようやく彼の頭が回転し始めた。
一体、自分は、どこに逃げるつもりだったのだ。
こんな限られた区域の間では、逃げ切れるはずがない。
どうすれば良いんだろう・・・頭が真っ白になりかけた、その時。
「アホ!なにしてんねん!大丈夫か!?」
前からかけられた声に一瞬、ビクッと体を強張らせる。
が、その声が聞き慣れたものである事に気付き、
転んだそのままの体制、根性なし丸出しのぐしゃぐしゃの涙顔で
声の持ち主の足元にしがみ付いた。
顔を上げると、やはり見慣れた彼の顔があった。
「コバ〜・・・」


 小林はナップザックを渡された後、のそのそ歩いて
無意識に校舎の外へと出た。
外に出て、なんとなく歩いて、でも、また止まって・・・
そんな事を繰り返していた。
彼もまた、この現実に、頭が順応しきれていなかったのである。
しかしその時。
たったったったったったったったったった
近づいてくる足音。思わず身構える小林。
が、こちらへ猛ダッシュしてきたのは・・・
「じ、陣内?」
そう、そこにはとっくに教室を出て走って行ったはずの彼の姿が。
声をかけようとした小林であったが、陣内は小林の前を
走り抜けるまでに、派手に転んで、もの凄い勢いで
顔面から倒れこんだ。
急いで、彼の元にかけ寄る小林。
「アホ!何してんねん!大丈夫か?!」
近寄って、起こそうとする前に足元にしがみ付かれる。
陣内は鼻血ダラダラで土まめしになった顔を上げて半泣きで
「コバあ〜・・・」と、呟いた。
よく見ると陣内は、前歯も欠けていた。


関東陣の、宮迫・山口に対抗して、関西陣の

【 陣内智則・ケンドーコバヤシ  合体。 】


   ――――――――――


岩陰に隠れ、思考をめぐらせていたDT松本の脳裏に、
過去の忌まわしい記憶がよぎった。
『ナイキの広告塔じゃん。ぎゃははは・・・』
松本はタバコを投げ捨て、ゆっくり立ちあがり、ふらふらと歩き出した。
独り言を呟きながら。
「バクモン・・・バクモン・・・フジモン・・・」


「兄さーん、兄さーん!!どこでっかー!?」
その時、キムこと木村祐一はライフル銃と血だらけの日本刀片手に
必死で松本を探していた。


   ――――――――――


宇治原は手にした小さな機械の小さな液晶スクリーンに
小さな光が現れたのを見て、目を見張った。
それは宇治原がそれを手にした時からスクリーンの中央にあった
光と同じ物だった。
察しのいい宇治原は、この機械が何のための物であるのかは十分承知していた。
「・・・それにしても、何で俺がこんな事をせなあかんねん・・・。」
口ではそう呟くも、心の中では相方の菅の所在が不明になっている事に、
若干の焦りと心配が見え隠れしていた。

それはゲームスタート前、
ルール説明がなされている時にポツリと笑顔で菅が呟いた一言だった。
「何や、要するに皆殺してしまえばええんやろ?」
その言葉は教室のざわめきにかき消され、
すぐ側にいた宇治原の耳に届いただけだった。

「菅、お前はほんまにやる気なんか?」


遠くで、銃声が聞こえた。
「あははは。また、殺し合いやってるんやね〜。」
楽しそうに血にまみれたバタフライナイフを持ち、
ハンカチで血をぬぐってポケットにしまう。
「俺も、もっと参加したかったな」

この場には相応しくないほどの満面の笑みを浮かべ、
先輩、後輩問わず倒れ息絶えている死体を背に、
菅はこれ以上に無い程の歓喜に震えていた。

「俺が弱いと思って殺しに来たみたいやけど、
 意外と俺強いって事、知らんかったんや」

ルール説明の時に、何気なく呟いた一言も、
普段の自分にしては何らおかしくない台詞。
周りの状況が普段とは少し違っているくらいで、
別に自分がいつもの自分ではないという事は無かった


   ――――――――――


「そろそろ移動したほうがいいかな?」
田上よしえは、海岸近くの洞穴に隠れていた。彼女の武器はヨーヨー。
「こんなんで人殺せるかっつうんだよ・・・」
彼女は自分の不運を呪った。彼女が洞穴から出ようとした時、突然目の前で何かが落ちた。
「ひっ!?」
それは体中が穴だらけの庄司だった。田上は驚愕の余り、庄司の体を蹴飛ばしてしまった。
「な・・・なんでっ・・・うっ」
目の前に突然現れた死体に田上は吐きそうになった。

崖の上に名倉が居た。名倉がその場から庄司を落としたのだ。
「・・・誰かおるな?」
名倉は弓を構えた。崖下から誰が出てくるかは知らないが、
狙った獲物は必ず仕留める・・という自信はあった。


   ――――――――――


人の目につかない所へと移動するために
陣内とコバヤシの2人は森の奥へと入った。
仲が良く、同期という事もあってか、
こんな状況にあるにもかかわらず
不思議とお互いへの猜疑心は生まれていなかった。
漸く、一息つけそうな岩場を見つけ、2人は
腰をおろした。
そして、お互いのナップザックの中身を確かめる。
「コバ、武器何やった?」
「金槌と釘・・・ランディーズの高井やあるまいし。」
「うわあー、微妙やなあ!」
「お前は?」
「なんかよく解らん。マッチと・・・花火ちゃう?」
陣内のナップザックの中には花火のような物体が
数個と、マッチが1つ入っていた。


「火、つけてみよ。」
コバヤシが止める隙もなく、陣内はサッと
花火の様な物に火をつけた。
「何してんねん!爆弾やったらどうするんや!」
「ど、どうしよ!」
小林は陣内の手から、即座にそれを奪うと
崖になっている岩場の下に投げ捨てた。
花火らしきものが落ちたであろうその場所から
もくもくと煙が上がり始める。
「?なに、あれ?」
暫らくすると、その煙は消えていった。
「・・・煙出るだけの花火ちがうん?見にいこっか?」
「明日、見にいこ。もしかしたら変なガスかもしれんし。」

コバヤシの予想は当たっていた。

下では陣内の天然によりランディーズの高井の尊い命が
失われていた。


   ――――――――――


森の茂みの奥では人形使いパペットマペットが、
言いようの無い恐怖に震えていた。

「かえるくん、かえるくん」
「なんだい、うしくん?」
「この状況とんでもなくまずいんじゃないの?」
「まあ、互いに殺されても、食用になるだけだから、
結果オーライでしょ?」

この状況下でも、自分の本音は話さずに人形に代弁させている。
一体、パペットマペットは今何を思い、悩んでいるのか。
そして、何に怯えているのかは誰も知る由が無かった・・・。


   ――――――――――


「お…こっちや、こっち!!」
マギーは不安そうにやって来る六角に声をかけた。
「よかった、マギー。いなかったらどうしようかと思ったよ」
石倉、明水、坂田、長谷川、六角…そして俺、これでメンバー全員が揃った。
出発前に手紙を渡したとはいえ、全員来てくれるのかは少々不安があった。
…しかしもう心配はない。
目の前に立つ5人をリーダーらしく見渡し、マギーは喋り始めた。
「出発前、周りの芸人達の目気づいたか?
何でお前らなんかがいるんや、芸人でもないくせに……そんな感じやった。
そこで…だ、このくだらんゲームをぶち壊したらんか、俺達で。
たけしを倒して、他の芸人達の首輪もどうにかして全部爆破させてやるんや。
そうすれば俺達が芸人のトップとして君臨できる。どや、ええ考えや………っ?!」


腹部に強い衝撃を感じた、しかも1度だけではない。
思わず後ろに倒れ込む、その間にも何度かの衝撃を感じつづける。
薄れ行く意識の中マギーは見た、メンバー全員が銃を構えていることを。
初めに撃ったのが誰なのかは分からない、しかし全員1発は撃っただろう。
「…リーダーは嫌われる…ちゅうことか………」
全てを理解した、思わず笑みがこぼれた。
頭部に最後の衝撃が来る……その瞬間まで。


「全員が全員銃だったなんて、けっこう俺らツイてたな」
坂田は猟銃を降ろしながら呟いた。
「マギーの武器は? なんだろ?」
長谷川に促がされ、マギーのナップザックを開ける石倉。
「……っと、すごいすごい、マシンガン!」
感嘆の声を上げ、黒光りする銃を取り出す。
「これ使ってれば何とかなってたかもしれないのにねぇ」
しみじみといった口調で六角が言うと、明水が反論した。
「無理だろ、所詮5対1だしさ」

そしてしばらくの沈黙が続いた。
「……で、俺らどうするよ?」
最初に口を開いたのは、5人全員が思っていたことを口にしたのは長谷川だった。
「どうするって言ったって……」
「一緒に組むしかないじゃん?」
皆が銃を持っているのが分かっている以上
下手に1人が動くと返り討ちにあいかねない。
多勢に無勢と言うやつだ。
今はひとまず手を組む以外にない、そういう事である。


   ――――――――――


猿岩石は神社で合流していた。
彼らは数年前に修羅場を潜ったせいか精神的に落ち着いていた。
有吉の武器は鉄アレイ、森脇の武器はアーミーナイフ。
そして、さっき二人で力を合わせて倒した男の武器の猟銃。
「・・・二人で力合わせれば、生き抜けるんじゃないか?」
「ああ!」
有吉と森脇は信頼の表情で見つめあった。
「行くか」
「うん・・・あいつどうしよう?」
「大丈夫だよ、命は奪ってないし。
 でもあの社(やしろ)には外側から鍵がかかってるから出られないよ」
「そっか」
二人は荷物を持って神社を去った。
社の中には、おさるが全裸で監禁されていた。
「ゆ・・・許さんぞあいつら・・・」



   ━━━━━━━━━━

≪第3回放送≫
死亡者 松下(バカリズム)・笑瓶(これも入れていいのか?)
     亮(ロンブー)・淳(ロンブー)・西野(キンコン)
     マギー(ジョビジョバ)
     他、浜田・菅に殺害された名も無き芸人多数

≪合体組≫
ハリガネロック・TIM・ウッチャンナンチャン・ラーメンズ
宮迫山口のくずコンビ・陣内コバ組・ジョビジョバ(マギー除く)

≪武器が判明している生存者≫
TIMレッド(銃器)・中川家剛(毒針を仕込んだ縦笛)・ネプ名倉(弓矢)
ネプ堀内(ボーガン)・ふかわ(武器不明。爆弾を作れるらしい)
雨宮迫(防災グッズ)・DDD山口(ウクレレ)・Take2深沢(遅効性の白い粉)
バカリズムマスノ(ウージー・ノコギリ)・爆笑田中(小型銃)
爆笑太田(レーザー銃)・DT浜田(弾切れのチャカ・サバイバルナイフ・ハリセン)
DT松本(白いタオル)・キム(ライフル・日本刀)・ロザン宇治原(何かの機械)
ロザン菅(バタフライナイフ・他)・コバ(金槌・釘)・陣内(毒ガス)
田上よしえ(ヨーヨー)・マギー無きジョビジョバ(銃器×4・猟銃・マシンガン)

   ━━━━━━━━━━



降りしきる雨の中、一人の男が歩いている。
・・・・・・・田代まさしだ。


極楽とんぼ山本圭壱は山道を早足で移動している途中、
脇のしげみから突然飛び出してきた大男と対峙していた。
相手の武器は出刃包丁だ。山本は動物的カンと持ち前の
敏捷さでなんとか避け、相手との距離を保っている。
「てめえ、まだしぶとく生き残るつもりかよ・・・・石橋ぃ!」
山本はツバを撒き散らしながら怒鳴り、奇襲をかけてきた
とんねるず石橋貴明を睨み付けた。
「山本くーん。大先輩に向かってその口の利き方はないんじゃねえの?」
狂気が見え隠れする血走った目の石橋は、そう言いながら
一歩踏み込んできた。山本は一歩退く。石橋がまた一歩。
山本もまた一歩。
それを繰り返しながら、山本はタイミングを計っていた。
使いようによっては最強だろう、己の武器を使うために。


石橋が一歩を進めた瞬間、山本も一歩前へ出た。石橋が
一瞬ひるんだ隙に更に間合いを詰める。
「・・てめ、なんだよ、これー!」
石橋は、自分の出刃包丁の先に刺さっている物体を見て
悲鳴のような大声を上げた。
山本のバッグに入っていた武器。それは、山本の姿を
精巧に模した「山さん人形」だった。
深く突き刺さった山さん人形を投げ捨て、石橋は包丁を
振り回しながら忙しなく全方位を見回している。
「山本ぉ!てめえ、このブタ!どこに隠れやがった!」
興奮して涙混じりの声で叫ぶ石橋を、山本はちょうど
真上から見下ろしていた。
身軽なデブと呼ばれる山本は、山さん人形を身代わりにし、
石橋がそれに気を取られている一瞬の隙を突いて、石橋の
頭上高くに伸びる木の枝の上に移動していたのだ。


「俺はブタじゃねえ。人間だ」
山本は小さく呟き、石橋の頭めがけて飛び降りた。
尻に衝撃があり、ゴキッと鈍い音がし、着地する。
少しひねってしまったか痛む足首を庇いながら立ち上がり
後ろを振り向くと、もう身じろぎ一つしない石橋の身体が
転がっていた。
首がおかしな方向に捻じ曲がっている。頭のてっぺんに
100キロからの物が衝突したのだ、当然だった。
「人間なんだよ」
低い声で言い、山本は石橋の身体を蹴り転がした。
いくら尊敬するたけしの命令とは言え、このプログラムに
積極的に参加するつもりなど毛頭なかった山本は、相方を
はじめとした仲間を探してさまよっていたのだ。
そこへ突然訪れた生命の危機。それが山本の中の何かを
壊し、今は去っていった。
山本は傍に落ちていた出刃包丁と山さん人形をバッグに
詰め込み、左足を引きずりながら山道を歩き出した。

【 石橋貴明   死亡 】


   ――――――――――


「オレ何やってんねん」
多くの芸人が、パニックに陥り誰彼かまわず殺しまくっている中、
再び岩場にて、紫煙をくゆらすDT松本。
松本は冷静であった。
あるいは、パニック故の諦めかもしれない。
彼に残されているものは、何もない。
芸人として、全盛を過ぎたといわれて久しい
松本は、常にさがし続けていた。
自分の死に場である。
彼は、自分の美学に忠実であるあまり、
死に時を逸してきた。
今こそ。
石を飲む。
飲みまくる。
嚥下できそうもないものまで、飲み込む。
異様なほどに膨らんだ、自信の腹を満足そうに見つめ
ほくそ笑む松本。
さらに湿らせたタオルを口につめこみ、海の中へ。
「なんや、苦しくなんかあらへんな」
「死ぬなんてこんなもんか・・・」
意識が遠のく・・・

「どや?浜田、オレの死に方・・・お前のツッコ・・・・あり・・・・」

【 松本人志  死亡(自殺) 】


その一部始終をみていた今田が・・・


        \ | /
                  
       ―        ―
             
        / | \    パッ


集合体によってδ宇宙域に転送され同化された松本。
飛び降りた崖へ30分後に転送される。

【 松本復活 】


   ――――――――――


ランディーズの中川はナップザックの中に入っている物を見て困り果てた。
「俺健康やしなぁ〜・・。こんなもん使えへんわ。」
小さな救急箱の中には消毒液、ピンセット、コットン、包帯、
あと解毒剤などの入った小ビンがいくつか入っていた。
「解毒剤・・ちゅうことは、誰かの武器に毒が入ってるっちゅうことか・・」
あまり働かない脳をフル回転させて考えていた。
彼自信、もうおじいちゃんなのだ。
「つまり、俺は仲間の救護藩にならなあかんのか。」
難しい役である。相手を信じ、そのうえ介護までしてやらなければならない。
もし相手が自分を裏切り、殺しにかかってくるかもしれないのだ。
「荷がおもいなぁ・・ほんま」
その時であった。


ガサッ、ガサガサササッ、バタッ・・。
すぐそばの茂みから何かが倒れるような音が聞こえる。
「だ、誰やっ!!!」
とっさに立ち上がって茂みの方向を振り返ると、
そこには相方・高井が倒れていた。
「お、お前大丈夫か・?!」
高井は肩を大きく揺らしてハーハ−と息をしている。
近寄っても大丈夫だろうか。
もしかして近寄った俺を攻撃してくる作戦かもしれない。
「・・・そこ、におんの・・中川か・・・?」
高井が喋りかけてきた。


「お、おう、そうやで!中川や。お前どうしたんや?!」
「ちょっと、毒ガスかなんか吸い込んでしもたんや、やられた・・・」

高井は洞窟の中で、遠くなる意識の中考えていた。
(毒ガスて・・そんな武器あったら最強やん、勝たれへんわ)
毒ガスに立ち向かえる武器なんかあったろうか、
そう考えた時、高井は地面に転がっている自分の武器を思い出した。
(そ・・そうか!コレや!!)
高井のナップザックに入っていたのは
2つのガスマスクであった。


ナップザックを開けた高井にはこのマスクが何に役立つのかわからなかった。
しかし今やっとわかった。
ガスマスクが入っているということは
誰かの武器に有毒なガスがあるということ。
このマスクは今自分がいるような状況に使用するのだ。
諦めていた高井に一筋の光が見え始めていた。
急いでガスマスクを拾い、マスクをつける。
頭全体を覆うマスクにはご丁寧にも小さな酸素ボンベまでついていた。
視界が悪いため、壁づたいに歩く。
吸い込んだガスがまわっているのか、体が上手く動かない。
ようやく洞窟の外に出れたのはいいが、周りを気にして
茂みを通ってきたが、途中で倒れてしまい、そこで中川と出会った。
中川も、自分を殺すのだろうか・・・。


中川は迷っていた。
普段から相方とは中がいい方ではあったし、
高井がほんとはいいやつだということも知っていた。
しかし、この状況 誰が誰を殺すかわからない。
ココへ来るまでだって何度も銃声を聞いた。
自分もいつ死ぬかわからない。
(・・どっちにしろ死ぬんやったら、こいつと一緒でもええか)
中川は恐る恐る倒れている高井に歩みよる。
「高井、今助けたるからな〜・・」
中川は小ビンの中から有毒ガス用の解毒剤を選んで高井の腕に
注射してやった。説明書どおりになんとか出来た。
高井はまだぐったりしたままだ。そのうち効いてくるのだろう。
しかし、ココにもガスが漏れてくることを考え移動したほうがいい。
中川は自分の荷物と高井を抱え移動することにした。
この苦しい戦場の中で相方が無事だったという安心感を中川は感じていた。


   ――――――――――


ピッ・・・・ピッ・・・-
人の存在を告げる光がスクリーン上でだんだんと大きくなる。
すぐ側に・・・誰かが・・・いる事はわかっている。
気配を出来るだけ殺し、宇治原は民家の壁に寄りかかり身を隠してた。

「この状況じゃ、俺勝ち目無いやん・・・」

宇治原が支給された武器は、
この「人の位置がわかるレーダー」ただ一つだった。
しかも、このレーダーはあまり高性能ではない物なのか、
位置は大体特定できても誰がいるのかまでは判断できない物だった。

この自分の背にある民家の中に誰か潜んでいる。

それだけはわかっている。
それが、探している相方の菅なのか。
それとも、baseよしもとの自分が知っている人間なのか。
もしくは戦いを望む人間なのか。

「仕方ないな・・・様子だけでも覗かんとな・・・」

真上の窓をそっと覗き込む。
民家の中にある影がロウソクのわずかな光の中照らされていた。


そこにいたのは、後輩のキングコング梶原だった。
オドオドしながら時折、辺りを見回していた。
いつも落ち着きの無い梶原が、さらに動揺しているのか、
民家の中をうろうろと歩き回っては立ち止まり、
立ち止まっては歩きを繰り返している。

宇治原は覗き込んだ窓のサッシに手をかけた。

・・・鍵はかかっていない。音を立てずに窓をスライドさせた。
「・・・梶原!」
小声で呼びかけると、部屋の隅にあった影がびくりと動いた。
「だ、誰や!」
「俺や、宇治原や!」
「う、宇治原さん!?」
驚きのあまり声を裏返らせながら、梶原は宇治原のいる窓の側にやってきた。
今までの動揺が嘘のように・・・。
やっと見つけた仲間に、宇治原もほっと安堵のため息を漏らした。
「一体、今どうなってるんや?全く状況が理解できへん・・・。」
「そんなん、俺も一緒です。宇治原さん、とりあえず中入ってくださいよ
 話はそれからですよ。」


誰かに見つからないように、
そっと玄関の方へ回り梶原のいる民家に入った。
一番奥にある台所の床に梶原は座っていた。
開始してまだ一日も経っていないのに、
すっかり梶原の顔は憔悴しきっていた。

「お前、そういえば西野は・・・?」
「宇治原さん、さっきの放送聞かなかったんですか?
 俺、開始した時から西野とはぐれてしもて・・・。」

梶原は、それ以上何も言わなかった。
宇治原も、何も言えなかった。
放送された=死亡した・・・なのだから・・・。
西野を殺したのは誰かはわかっていない。
沈黙が、二人の間に流れた。

自分の相方の菅はまだ放送されていない。
生きている事は確かだが、誰かを傷つけながら
生き永らえているのかもしれない。

−本気で、お前はこのゲームに参加するんか?菅。−


「ここへ来る途中、baseの先輩いっぱい見たんですよ。
でも、みんな俺の前から逃げて行ったんですよ・・・。」

梶原は立てたひざに顔を突っ伏した。
声がだんだん小さくなり、震えだした。
泣いている。
あの、ムードメーカー的存在の梶原が泣いている。

「もう、誰も信じられなくなって、ここまで走ってきたんです。
 そしたら途中の、森の中で・・・っく・・・西野が・・・西野が・・・」

左胸を真っ赤に染めた西野が。
自分の足元に転がっていた。と、梶原は言葉を続けた。
だけど、これ以上もう梶原は話す事が出来なかった。

すぐに西野の側から立ち去る、菅の姿を目撃した事も。



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≪合体組≫
   ハリガネロック・TIM・ウッチャンナンチャン・ラーメンズ
   宮迫山口のくずコンビ・陣内コバ組・ジョビジョバ(マギー除く)
   猿岩石・ランディーズ

≪武器が判明している生存者≫
   猿岩石(鉄アレイ・アーミーナイフ・猟銃)・極楽山本(山さん人形・出刃包丁)
   ランディーズ中川(救急箱)・ランディーズ高井(ガスマスク)
   ロザン宇治原(不明の機械はレーダーと判明)



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