麒麟・田村は、いつ、どこから訪れるかわからな襲撃の恐怖と戦いながら、
相方の行方を探していた。

川島の様子は、明らかに常軌を逸していた。
だけど、本当にあいつは、ただの殺人鬼に成り下がってしまったのか?
あの時、相方の俺だけは殺されなかった。
まだあいつの心には、一片の良心が残されているのではないか?
ただ殺されたくないという恐怖心から、殺人を犯しているだけではないのか?
オレは、あいつの本心が知りたい!
オレは、あいつを信じたい!

そんな思いが、田村を突き動かしていた。
「川島、お前は殺人マシーンなんかやない!待ってろよ!」
「その川島クンなんだけどさ〜」
田村の背後で声がした。


振り返った田村の目に映ったのは、同じ吉本興業の先輩・藤井隆の姿だった。
「あ、藤井さん!生きてたん・・・」
そう言いかけた田村の目に飛び込んできたのは、
藤井が持つカバンに収まりきらず、外に溢れ出ている芸人たちの頭部だった。
「うわ、どうしたんですか、それ・・・」
驚きの感情はすぐに消え、じんわりとした恐怖が滲み出してきた。
もしかして、次の標的はオレなのか?
逃げるしかない!!だけど、もし相手が飛び道具を持っていたら・・・!?
様々な思いが交錯する。


「うふふ。あなたの相方の川島クン、 ずいぶん暴れ回ってるらしいじゃない?
 みんな噂してるわよ〜。」
「・・・・・・」
田村は、じりじりと後ずさりを始めた。
「ワタシよりも目立っちゃって、許せない!!
 誰よりも目立つのはワタシ・・・・・・川島は邪魔なのよ!」

田村は藤井に背を向け、全力でダッシュした。
しかしすぐさま、藤井の放った鎖鎌の鎖が田村の足を絡めとった。
「うふふ、あなたは川島をおびき寄せるためのエサ。逃さないわよ。」

田村は囚われの身となった。


   ――――――――――


「お、うぉ、ううっ・・・・・・・ゎぉっ・・・・・・お・・おお・・」
島の浜辺に似つかわしくないうめき声があたりにこだました。
深手を負った芸人のうめき声か?
いや、この声を発しているのはぼんちおさむその人であった。
わけもわからぬままに来たこの島。1人ずつに渡されたナップザック。
彼にあてがわれた武器は、ネオ金蛇精20本だった。
ご丁寧にストローまでついている。
生き延びるにはまず体力だと2本を空けたまではよかったが、
ちょっと精力亢進しすぎたのだ。
「お・・お・・・おっさむちゃんでええ〜〜〜〜〜〜す!!!
 おさむちゃんで〜〜〜す!!!」
ひたすら往年のギャグを狂ったように繰り返すその姿は、
元シェイクダウン後藤に撃たれて逃げる菅の目にも映っていた。
しかし、あまりにも殺した時に達成感が得られそうになかったので
あの菅にさえ無視されたのである。
この男を殺したところで、手に入るのはネオ金蛇精十数本。
確かに得な相手ではない。
彼は誰に殺されるのだろうか。はたまた誰を殺すのであろうか。


   ――――――――――


レギュラー西川。
「須藤……死んでないよなあ?」
ふらふらとした足取りで歩きながら考えるのは、
死んでしまった先輩でも無ければ、相方のことでもない。
(ああ……俺って意外と冷静なんやな……こんな時に女の事考えられるもん……)
ずっと好きだった。青空・須藤のことが。いつも笑顔ではつらつとしているあの子が。
最初はただの芸人仲間だと思っていた。しかし、いつからかそうじゃなくなっていた。
次第に自分を支配する淡い感情に自分も少し戸惑っていた。
舞台上で成り行きで告白したときも、冗談だと言って笑い飛ばされたけど……


決意した。自分は普段から何もできない男だ。
支給された武器もただの花束だ……でも、最後に好きな娘に自分の気持ちを伝えたい、
その思いだけで足を動かしていた。

「確か川島が出発する前……ガブンチョメンバーで川の上流で集まろうって言ってたな……
川島やったらなんか考えてそうやな……みんなもおるやろうし」
みんなのことを考えると少し希望が見えた気がした。須藤や、相方もいるだろう。
上流と思われる所まであと少し……無意識のうちに震える足は少しだけ早く動いていた。

上流で数時間前に起こった事も知らずに。


   ――――――――――


ピーピーピー・・・
つまみ枝豆「たった今出川が禁止エリアに侵入し、爆死しました」
たけし  「出川死んだか。ったくーしょがねーなしょ〜あいつは。
      、でどこのエリアだ?」
つまみ枝豆「C−5地区ですね」
たけし  「C−5に仕掛けてあるカメラのVTR見せろ」
たけしは出川が殺される直前の映像に目をやった。

もの凄い形相で走ってくる出川、そして禁止エリアに侵入し
首輪が鳴った。「ブーブーブー…」
自分のいる地区に気づいた出川は顔を真っ赤にし、涙目で
「そりゃないよ。タモさ〜んっ!!」
そう言った直後、出川の首輪は爆発し、頭部もろとも吹っ飛んだ。

「ふっ」軽いため息をついてたけしはVTRの流れている
画面から遠ざかり、ソファに腰をおろした。


そんまんま東「今までで無名芸人合わせ、150人近くが死んでますが
       やはり若手が多いですね」
たけし   「さんまの奴があんなに早く殺されるとは思わなかったけどな、
       島田、萩本、大竹くらいか、ベテランで殺されたの…」
そのまんま東「若手の中では川嶋と菅が非道な殺戮をしてますね、
       あと要注意人物は、浜田・松本・原田・太田…あと最近になって
       藤井隆が面白い行動をおこしてますね。他には…」
たけし   「あ〜もういい。」たけしは言葉を遮った。
たけし   「タモさんとか所さん、西川きよしなんかは何してんのかな…。
       おい東、お前ベテランとして今から参加するか?」
そのまんま東「え〜!?それは勘弁してくださいよ〜」
たけし   「ははっ…」
たけし   「俺ちょっと横になるから、何か事件があったら起こしてくれ」


誰が勝ち残るか…と賭けをしているもの、
芸人殺害状況のモニターを見ているものなど
ザワザワした部屋の中でたけしはソファに横になり、
うとうとと眠りについていった

【 死亡:出川哲郎 】


   ――――――――――


「おい!どうしたんだ!」
深沢は道端で倒れているTIMを見つけた。深沢は慌てて駆け寄って、レッドを抱き起こす。
「ちくしょう…あいつ」
二人とも血まみれだ。かなり深い傷を負っていると見られる。
「一体、誰が!」
「中川家の…兄貴の方だよ。あいつ、爆弾で俺達を…うっ」
「あんまり喋るな」
その時、ボソリとゴルゴが言った。
「まだ、放送されてないけど…あいつ、東も殺しやがった」
「…え?」
「笑って、東の…東の死体ひきずってたんだ…」
ゴルゴの表情は見えないが、涙声になっていた。
「そんな…」
「頼む。俺達しばらく動けないけど、仇討ってくれ…あいつを殺してくれ!」
深沢はレッドの体をそっと地面に置き、怒りに瞳を潤ませて、頷いた。


深沢が立ち去った後、ゴルゴとレッドはむくりと起き上がった。
「あ〜服汚れちまったよ」
「意外とケチャップだってわかんねーもんだな」
「意外と俺達って演技上手いじゃん!俺達しかいねーだろうな、こんな事考えたの」
二人は高笑いしていた。

菅が数日前に同じ行動を取っていた事を二人は知る由もない。


   ――――――――――


「緊迫してる事態の筈なのに、俺達暇だな〜ここなかなか禁止エリアになんないし」
「な〜」
岩場に隠れていたピーピングトム桑原とノンキーズ山崎はため息をついた。

【 ピートム桑原&ノンキーズ山崎合体済 】


   ――――――――――


「はあ……はあ」
川幅がだいぶ狭くなってきた。もうすぐ上流だ。みんなに会えれば……何かできる気がする。
確証は無いが何故かそんな気持ちになった。
「あっ……」
向こうの方に人が見える……見たことのある服、身長。
(須藤や……!!)
安堵感に包まれ、駆け足で走った。足下の川が血の川になってるのも気づかずに
だんだん大きく見えてくる

「っ………………!!」
充満する血の匂い、無惨に放り出された身体……
無作為に切り刻まれ、血塗れのシュガーライフの二人と、青空の二人。
「みんなどうしたん!!!誰にやられたん!?」
「なんでなん!目さましてえや!」
一人一人ひっぱたいては返事を待った…
しかしもう何時間も前にこうなったのか、堅くなってしまった体からは返事はない。
「須藤目さましてや!!お前に言いたいことあんねん!!!!」


赤く染まった須藤のシャツにはハーケンクロイツが刻まれ、引き裂かれていた。 
「なあ須藤!!俺お前のこと好きやってんで!!! 
なあ返事きかせてえや!ノーでもええねん!なあって……」 
真っ青になった須藤の口からはもちろん返事は返ってくるはずもない。 
心臓が動いていない須藤がもう死んでいるのは自分でも分かっていた。それでも、 
涙声で声が掠れ、それでも壊れたテープレコーダーのように何回も何回も繰り返した。 
その時。

「う……」 
遠くでかすかなうめき声……シュガーライフ安達が、ぴくりと動いた。 
「安達……どうしたんこれ!?誰が……」 
「川……ま……麒麟……の……」 
仲間である川島が……?呆然としていると安達はこう続けた。 
「川島は…止め…れ……へん……田村しか……」 
最後の呼吸でそういうと安達も反応しなくなってしまった。 
安達の胸にも刻まれた赤黒いハーケンクロイツ……我が闘争、そして川島。 
だんだん繋がっていく惨劇の状態にただ立ちつくしていた。

 
「……………………」 
それでも西川は泣かなかった。いや、何故か涙が出なかった。 
変わり果てたみんなの姿、好きな人に思いも告げられなかったのに……。 
立ち上がりまたふらふらとした足取りで先輩にもしたようにみんなに花を手向けた。 
そして……須藤の前に来た。 
切り刻まれ、はだけた胸元に自分の着ていた服を掛ける。 
残ったのは真っ赤な薔薇一本だった。 
「ごめんなあ、須藤。あんまり花好きとちゃうよなあ。 
でも許してな、これしか今ないねん」 
血の色にも似た真っ赤な、真っ赤な薔薇を須藤の手に握らせると、 
一瞬須藤の口が「いいよ」と動いたようにも見えた。 
「めっちゃかわいいで。やっぱり好きやわ」 
一言呟いた言葉は、どこかの銃声にかき消されてしまった。

(川島を止めれるのはほんまに田村しかおれへんかもなあ……) 
ぼんやりとそんなことが頭に浮かんできた。もう生きていてもすることがない。 
自殺も恐くて出来ない……それなら田村を捜そう……・。 
西川は田村を捜すため、ゆっくりとみんなの死体から離れた。

空は吸い込まれるほどの青空だった。

 
【 死亡:青空(岡、須藤)シュガーライフ(植松、安達) 】


   ――――――――――


先ほどから沈黙が続いている。ココリコ田中は、気まずそうにちらりと松本の方を見た。 
岩にもたれた松本は煙草をくわえ、立ち昇る紫煙の先をぼんやりと眺めている。 
・・・何を、考えているんだろう。この状況の中思いのほか落ち着いた松本の様子を、 
田中は少し意外な気持ちで見つめる。・・・それは自分も同じなのかもしれないが。 
とにかくこの沈黙を断とうと田中は思い切って口を開く。 
「・・・遅いですね、木村さん」 
「・・・せやな」 
相変わらず視線を空に留めたまま、松本は返した。 
「これから、どうしますか?」 
「・・・・・・せやなぁ・・・」 
「何とか生き残る方法を考えないと」 
先程より少し声に力を込めて田中は言う。 
「やっぱ味方は多い方がいいですよね。ひとまずそこから始めませんか? 
 浜田さんとか、遠藤とか今田さんとか東野さんとか、後は〜〜、山崎さんとか。 
 ね?みんなでおったら安心ですよ!」


しかし、松本の態度は変わらず。ぼんやりと煙草を吹かすのみである。 
その覇気の無さに、田中は不安に駆られ訊ねた。 
「・・・諦めてるんじゃ、ないですよね?」 
漸く、松本は田中の方を向く。 
「生き残るつもりがない、なんてわけじゃないですよね?もう諦めてしまってるんじゃないですよね? 
 ・・・・・・死ぬ、なんて・・・考えてないですよね」 
松本は答えない。 
「松本さん!!」 
「・・・よう、わからんねん」 
しばらくの間をおいて松本が口を開いた。 
「どーーしたえんかなぁ・・・」 
「な・・・」 
「正直なんか、実感ないねん。何で俺ここにおんねやろなぁ〜・・・。 
 さっきいっぺん、腹据えたはずやねけどな・・・おかしな話やで。 
 これ以上、何があんねん」 
「何言ってるんですか!駄目ですよそんなん!!しっかりして下さいよ!」 
田中は思わず大声を上げていた。 
「やらなあかん事なんていっぱいありますやん!あ〜〜〜あれとかこれとか、それも!! 
 そんなん、言わんといて下さいよ・・・・・」 
最後の方は力なく、縋るような声で田中は言いうな垂れた。


「・・・・・・うるさいねん、お前。誰かに聞こえたらどうすんねや」 
しばらくしてかけられた声に、田中ははっと松本を見る。 
「それから『あれこれそれ』てなんや。ちゃんとゆえ、ボケ」 
松本はなんともいえぬ苦笑いを浮かべ、田中を見ていた。 
「そんな顔すなや」 
「・・・松本さん」 
松本はにやっと笑う。 
「安心せえ、まだ死ぬ気はない。さっき一遍味わってきたからもうええわ」 
「は・・・?」 
松本はぐっと岩から身を起こす。 
「せやな。いつまでもここでぐで〜としとる訳にもいかんやろ。 
 とりあえず、キムが帰ってきたらなんか食うて、それから作戦会議や。 
 何をするにしても動くんはそれからや。そいでええか?」 
「あ・・・は、はい!」 
そこでようやく、田中は安心したように笑った。


   ――――――――――

 
「なー、川島。お前一千万獲ったらどうする?」 
「んー?そんなの考えてへん。そや、お前の乾燥肌治したろか。 
全身の3分の2がカカトやもんな」 
「なんやそれっ!そんなら俺はお前に服買うたるわ。レパートリー少なすぎやわ 
お前。」

「あああー!!!緊張する!なー、今俺真っ青やろ?」 
「何言っとんねん、いっつも健康的な玄米色やないか。こん中で俺らが一番 
知名度低いやろ。暴れなきゃ損やで?」 
「・・・ああ、そやな。」

自分の誘いに乗ってきた愚かなガブンチョメンバー達を殺した麒麟川島は、 
しばし休息をとっていた。そして、短い夢を見た。誰かと自分が話していた。 
自分も、そいつも、笑っていた。そして、さっきまでより少し自分の心が穏やかに 
なっているのに気づいた。


ただ、それが誰か、思い出せなかった。 
そいつは、さっき殺した中にはいなかった。そいつは、パペットマペットを 
殺したときに、横にいた奴に似ている気もした。川島はそいつを殺さなかった。

いや、殺せなかった?

・・・そんなことどうでもいい。 
そいつが誰かなんて今の自分には思い出す必要もない。そう思った。 
それが誰であれ、いずれ殺せばいいこと。今の自分の目的は一つ。皆殺し。 
それだけ。 
川島は再び血を求めて歩き出した。

心の闇にさしかけた一筋の光は、再び闇に紛れた。


   ――――――――――

 
「なるほど…狂ってるな…秋山のヤツ。」 
馬場は用を足しに秋山から離れた。 
そして、インパルス板倉に出会ったのだった。 
「山本も、塚地さんも、鈴木さんも、高橋も、みんな秋山が殺した…。」 
馬場は消えそうな小さい声でそう言った。 
「馬場、もう安心しろ。俺の武器はコレなんでね。」 
板倉は背中からマシンガンを取り出して見せた。 
「まさか…。」 
「秋山を殺すんだよ。秋山が死ねば、お前に仕掛けられてる爆弾も爆発しない。」 
「でもっ!」 
「このまま秋山を放っておいたら、もっと死ぬぞ。 
お前、見てたんだろ。秋山が人を殺すのを。 
どうだった?苦しんでたか?楽しんでたんだろ?」 
「…うん…。」 
「ほら見ろ。いいな。秋山はガンだ。 
俺達が生き残るには、秋山は取り除かなければならないガンなんだよ。」


ガサッ

「あれぇ〜、板倉ぁーだよねぇ?」

2人が振りかえると、そこには銃を片手に持ち、いつもの様に笑っている秋山がいた。

 
「あれ、馬場ぁー、どうしたのかなー?ふふふ」 
「秋山…。」 
「馬場、目をつぶってろ。耳もふさいどけ。」 
「えぇ〜?何?なんか言ったぁー?」 
「…死ね。」 
板倉は引き鉄を引いた。 
「あきやまぁっ!!!」

ズダダダダダダダダダダダッ

「…馬場ァッ!!」 
背中に無数の穴を空け、血まみれになって倒れたのは馬場だった。 
「板倉…ゴメン…俺、やっぱり…秋山に死んでもらいたくないよぉ…。」 
「お前…馬鹿だろ…。」 
「秋山…ゴメン…俺、裏切ろうとした…本当にゴメン……ゲホッ」 
「馬場、喋るなよ!秋山、聞いて無いぞ…。」 
板倉は秋山の方に目を向けた。 
秋山は、馬場の血を浴び、尻もちをついた状態で固まっていた。 
「きいてるよ…俺にはわかるよ…だって、相方だもん…。」 
「馬場…。」 
「秋山…最後まで迷惑かけてゴメンな…お願い…生き残って・・・・。」

「馬場ァ!!!!!」

馬場は目を閉じた。 
その後、目を明ける事は二度と無かった。

 
「あー、馬場、死んじゃったァ…。」 
「お前…それだけかよ!!?」 
「うん。だってぇ、死んじゃったぜー。それ以外に何もないだろー。」 
「秋山ァァァァァ!!!!」 
板倉はマシンガンをかまえた。 
「馬場、死んじゃった…。」 
「!?」 
「板倉ぁー、馬場、殺しちゃった?」 
「…あ、あきや…」 
体が震えて引き鉄を引くことが出来ない。 
「きいてんのぉー?ねぇー。」 
「あ…ああ・・・・。」


「死ね。」



【 ロバート馬場・インパルス板倉死亡。 】


   ――――――――――


ガサッ 
ヒロミ「おい、何なんだよ〜、こえ〜な〜、風かよ〜」 
勝又 「ング、ング、ん、ん〜わ〜〜〜〜ぁぁぁ〜」 
木梨 「カッチャン…もう泣くなよ……」 
勝又 「ぅ・ん…どうしよう・ぅ・・これから?」 
木梨 「・・・・・・・・」 
ヒロミ「・・・・・・・・」 
木梨 「どうしよう、トコさん?」 
所  「・・・・・・・・、殺しちゃおっか?」 
木梨・ヒロミ・勝又「えっ・・・・?」

 
所  「もう、しょうがないジャン、こうなったらさぁ… 
サバイバルゲームしちゃおうよ。」 
ヒロミ「…トコロッチ本気かよ…?」 
木梨 「武器は、え〜、マシンガン1丁、ライフル1丁、警棒1丁、スタンガン1丁っと。」 
ヒロミ「…ノリちゃん?……」 
勝又 「シャッ〜〜〜、殺るか〜!シャッ〜!」 
ヒロミ「………」 
勝又 「シャァ〜!」 
ヒロミ「シャーシャー言ってんじゃねーよw、(ふぅ〜〜〜)やっぱ一流芸能人は武器も違うね〜?」 
所  「んじゃ〜、しゅっぱ〜つ!」

【 所・木梨・ヒロミ・勝又合体 】


   ――――――――――


…休憩の為に潜んだ森の中で、宇治原は第6回目の放送を聴いた。

最後に二人から託された、ショットガンと小型の銃。 
どちらも、本来の持ち主に返す約束も果たせぬままだった。 
青々とした空が今はとても憎らしかった。 
見上げた青い空が、だんだんと滲んで見えた。

『Good-bye. It is separation forever.』

「”さようなら、そして永遠の別れです。”…か。」

目の前で見た、菅の凶行が頭の中をプレイバックする。 
何も躊躇わずに笑顔で引き鉄を引いた菅。 
無抵抗の人間を手にかけ、そして、相方である自分に銃口を向けた。 
菅は全力をかけてこのゲームに参加している。 
その事実だけが宇治原の頭の中を占めていた。


「あいつだけは早く止めないと、ほんまにみんな殺してまうな…」 
どうして菅がここまで人殺しに執着する理由があるのか、 
宇治原の程の頭でも考えてもわからなかった。

「いくら考えても埒があかんわ…」

いささか、体も心も疲れきっていた。 
たった一日半ほどの時間がもう何日にも思えた。

時間を確認するために、左手の腕時計に目をやる。 
街の開放時間が刻一刻と近づいていた…。 
…これ以上、犠牲者をださないために…。 
…これ以上、菅が人を殺さないために。

宇治原の足は自然に街の方面へと向かっていた。


   ――――――――――


濱口はたった今殺した男の左胸からアイスピックを抜くとボソっと呟いた。 
「・・・有野どうしたんやろ」

【 キングブコメディ今野 死亡 】


   ――――――――――


大内 登は、深い茂みの中で息を潜めていた。 
少し離れた所には相方の大木と、同じ事務所という事もあり行動を共にしていた 
ザブングルの2人と大隈いちろうが隠れている。

軽快な足音と不可解だが楽しげな鼻歌を連れてこちらへやって来るのは、 
彼等の先輩である、そして今は微笑む殺人マシーンと化した堀内健だった。 
足音が止まった。いつもの調子が響いた。 
「そこにいるのはだ〜れだ?」 
やっぱり気付かれている。汗が噴きだした。

ガサッと音がした。誰かが茂みから飛び出したらしい。 
「どうも、堀内さんこぉんばんみー!!」

(な、何やってんだ、あのバカ!) 
しかし大内は本当は解っていた。 
あいつはあいつなりに俺達を守ろうとしているのだろう。


「あー、大木じゃん!」 
次の瞬間。人間の倒れる音がした。ボーガンは放たれたのだ。 
「まだ誰かいるなぁ?」 
ゆっくりと、更に足音が近づいてくる。 
もはや震えを止める事はできなかった。


「うっ…!」 
加藤の呻き声だ。二発目のボーガンが命中したらしい。

「ぐぁっ!!」 
今度は松尾だ。 
辺りは既に薄暗い。自分たちの姿が見えているはずはない。 
彼は気配だけを頼りに、正確に獲物を仕留めているのだ。

「…っ」 
大隈だ。

あとはもう、自分一人だ。 
心臓がものすごい速さで打ち、冷静に思考しようとする意志を邪魔する。 
殺される。殺される。殺される。殺される。

一歩、また一歩、足音が近づいた。 
そして、すぐ近くでぴたりと止まった。 
そして…。

「なんだあ、もう誰もいねーのかよ〜」

しばらくの間、状況が全く理解できなかった。 
ようやく腰が立つようになり、立ち上がって周りを見渡した時、既に殺人者の姿は無かった。

大内 登は、その卓越した『影の薄さ』のお陰で、五人中たった一人生き残る事が出来たのであった。


【 ビビる大木、ザブングル松尾・加藤、大隈いちろう 死亡 】


   ――――――――――


堀内健は街へ向かって山道を歩いていた。 
原田が近くにいるかもという直感と、危険を避けている野生の勘。 
「しっかし、腹へったなぁ〜?」 
相変わらずの調子で腹を手で押さえた。 
「・・・!」 
堀内は何かが来るのを察してとっさに身を伏せた。 
マシンガンの銃撃が樹木に無数の穴を開ける。 
堀内がその場を走りぬけようとした時、堀内の前を一人の人間が立ちはだかった。 
・・・菅だった。 
菅を見た瞬間、堀内ははじめて「死ぬかも」死の恐怖を感じた・・・。 
そして菅は、「ネプチューンの堀内健」という大物を仕止められるという狂気に満ちていた。 
志村けんの時は油断したが、今度は油断しない。菅は絶対の自信をこめて堀内に銃を向けた・・・。


   ――――――――――


「ぎゃー」 
日村の掘った穴に今度はコンビ一組が落ちた。 
「あー今までで一番大物だな〜。でももっと大物が来たらな〜例えば・・・おっ」 
日村が振り向くと升野が笑顔で立っていた。 
「お前、それ(ゴミ袋)何入ってるんだ?」 
升野は笑ってゴミ袋を開けた。 
「おお〜こりゃあすげえな。誰んだかわかんねえな」 
「すごいでしょ」 
二人は不気味な笑みを浮かべていた。 
「どうやって殺ったんだよ?」 
「それはこれでズダダダって」 
升野はウージーを日村に見せた。 
「そっちは今までどんぐらい埋めたのー?」 
「いやいや、今ので久々に引っかかったばっかよ。今までがショボイショボイ」 
日村は新しい穴を指差した。穴からは「出してくれー」と叫び声がする。 
「うるせぇな〜。さっさと埋めちまおう・・・おい、それ入れねえ?」 
日村はゴミ袋を指した。 
「いいの?これ重くてさ〜袋も破けて中身出てきちゃうし。」 
「さっさと出しちゃってくれ」 
升野はゴミ袋の中身を穴の中に放った。 
「ぎゃあーーー!」


穴の中から大きい悲鳴が聞こえた。 
「おおげさだな」 
日村はシャベルで土を掘り、容赦なく穴を埋めていく。 
升野も手で土を穴にかける。 
「お、すまねえな」 
升野の手を借り、今までで一番早く穴を埋める事が出来た。 
「・・・で、お前は誰殺ったんだよ。あんなバラバラじゃあわかんねえよ」 
「え〜僕のところも大したの居ないですよ〜クスクス」 
「そっか〜ギャハハハ」 
二人は不気味な笑いを絶やさなかった。


【 島田洋七、洋八 死亡 】
【 バナナマン日村・バカリズム升野 合体 】


   ――――――――――


昼食を終え、更に太田を追いかけようとジンジャーを走らせていた原田はターザン 
ロープの要領で自分のジンジャーよりかなり速いスピードを更に加速させながら、 
『カッ賀谷でーす!』と、原田の耳が痛くなるような大声で目の前に襲って来たハ 
ウス加賀谷の姿を見て、これはジンジャーを止めて避けられないと、ジンジャーを 
走らせたまま下にそのままかがみ込んだ。


しばらくして、更にジンジャーを走らせていた原田の現時点から約数10メートル 
時点でベシィッ、バサバサバサ。と勢い良くぶつかった音がした。 
余りのその音に原田が振り向くと………。 
その視線の先には、大の字になってハウス加賀谷が倒れ込んでいた。 
「先いこ、先」 
更にジンジャーを加速させて原田は更に学校がある方向の東へと走らせていた。


【ハウス加賀谷自爆】


   ――――――――――

 
アメザリ平井は、斉藤君の竹刀を握りしめて歩き回っていた。 
「くっそ〜、柳原〜出てこんかいボケ!!」 
ふと前を見ると、死体が一体転がっていた。 
もう死体なんて見慣れた。冥福を祈りつつ通り過ぎようとしたが、その死体は、 
松竹の先輩である、ますだおかだの増田だった。 
「増田さん・・・!!」 
顔が真っ二つに割れていた。ギョロッとした目は見開かれたままだった。 
胸にはハーケンクロイツ。 
「これって・・・・・一体、誰が・・・・?」 
平井は立っているだけで精一杯だった。 
「俺ですよ。」 
洋画吹き替えのような、映画のナレーションのような声がした。


「ども。相方さん探してはるんですか?でもねー、あんな間抜け声あげて 
歩いてたら、相方さんの前に他の人に見つけられちゃいますよ。 
例えば、俺とかね。」 
平井は振り返ることが出来なかった。 
「あんたの武器それ?竹刀。しょぼいねー、そんなのじゃ誰も殺せないでしょ。」 
「お前は・・・殺したのか?」 
「ああ。もうとっくに。そこに転がってるのも俺が殺ったんよ。」 
まるで宿題やったよ!とおかんに報告する子どものようにさらっと言った。 
平井は震えを押さえてやっと声に出した。 
「・・・・・・なんで・・・?」


背後からの声の主は笑った。さっきまでと明らかに違う調子で叫んだ。 
「何で?あはははは!!!決まってるやん!!!俺が!俺だけが生き残るべき 
逸材やからや!!!馬鹿ども生かしといてもしゃあないやろ?なあ?あんたも 
そう思わん?」 
狂っている。狂っている!狂っている!!狂っている!!! 
逃げなければ!しかし、そう思ったときにはもう遅かった。 
「生き残るんはこの俺や!俺様以外みんな死ね!!!!!!!」

平井は背中に強い衝撃を感じた。抵抗する間もなかった。 
あー、せめて最後相方のやかましい声聞いてから死にたかったわ。 
斉藤のあほー、お前の竹刀役にたたんかったぞー 
平井の意識はここで途絶えた。

【 アメリカザリガニ平井死亡 】


   ――――――――――


偶然見つけた小屋の中に、陣内とコバヤシは身を潜めていた。 
まともな武器は持っていないし、いつ誰に襲われるかも分からない。 
そんな2人に出来る事は、「とにかく逃げる」。それだけだった。

「…俺らいつまでここにおるんやろ…」 
背中を小さく丸め込むような姿勢で、陣内は腰を下ろした。 
その声はとても小さく、頼りない。 
小屋に辿り着くまでに、何度か放送を耳にした。 
その中には勿論baseよしもとの仲間達の名前もあった。 
「原西さんに藤本さん…木部ちゃん、スッチー…、徳井、西野、梶原…皆死んでもうたんや…」 
口には出してみたものの、全く実感が湧かなかった。 
非現実的な世界を受け止めることが、陣内にはどうしても出来なかったのだ。

身体を丸めたまま動かない陣内を横目に、コバヤシは小屋の中を調べていた。 
「何してんの?コバ…」 
「武器になりそうなもんを探してるんや。まともな武器、一個も無いからな。」


自分に渡された武器は金槌、釘。そして陣内は煙の出る花火とマッチ……。 
煙の正体は分からないが、多分人体を攻撃するガスではないかとコバヤシは思った。 
しかし確証は無い。第一これでは刃物や銃火器を持った相手と戦うのは不利だ。 
「…あかん、ロープと工具しか無いわ……」 
どうやらここは物置として使われていたらしい。 
木材やポリタンクなど、武器になりそうなものはひとつもなかった。 
刃物と言えば、小さなカッターナイフくらいだ。

「(俺も何かしたほうがええんかなぁ…)」 
コバヤシだけに任せてしまうのは悪いので、 
自分も役に立とうと思い陣内はゆっくりと立ち上がった。 
「コバ、何か手伝う事ないか?」 
「…せやったら外の様子を見て来てくれ。くれぐれもいらん事はすんなよ。」 
さっきの煙玉といい、何をしでかすか分かったものじゃない。 
コバヤシは強く念を押した。 
「子供扱いすんなや。分かった、見てきたらええんやろ?」 
そう言って、陣内は小屋の外に出て行った。


「はぁ……」 
小屋の周りを歩きながら、陣内は深いため息をついた。 
遠くの方で銃声がかすかに聞こえるが、 
その音すらも彼にとっては、何処か別の次元の物事のように感じていた。 
「何でこんなことになったんやろなぁ…」 
7年前、コンビを解散した時にこの世界から抜けていれば。 
…少なくとも、このような事態に巻き込まれる事は避けられたかも知れない。 
だけど、この道を選んだ事を否定したくはなかった。 
親しかった人達の顔が次々と浮かぶ。それだけでも大きな財産だと思っていたから。 
「せやけど…もう皆おらんのか……」 
眼の辺りが熱くなるのを感じた。…急に心細くなり、陣内は小屋に戻ろうと踵を返す。 
「こんな事考えとっても、しゃあないよな。これからの事考えんと。」

周りに注意を払わずに小屋へと向かう陣内を、 
木の陰からじっと見つめる男がいた。


   ―――――――――― 


「ホンマ腹減ったわ・・・」 
X-GUN嵯峨根は食糧が尽き、空家で休んでいた。 
体力もほとんど無く街に行く事も出来ない。 
「こういう時、人肉食うんもアリやと思うけどアレ腐っとるしな〜」 
と、目の前で泡を吹いて死んでいるウド鈴木を見た。ウドの死体は腐敗が始まっていた。 
「あ〜腹減った。今日食いたいわ・・まじで」 
嵯峨根は行動を共にしている相方・西尾からこう言われていた。 
『もし、今日食えなかったら俺を焼いて、それ食え』 
相方を食うなんて、それだけはしたくない・・・嵯峨根は首を横に振った。 
嵯峨根の願いも空しく、夜が来ようとしていたその時・・ 
「なあ、嵯峨根?」 
「何や」 
出かけて、帰宅してきた西尾がすまなそうな顔をしていた。 
「こんなんシメたんやけど、カツ・・・作らん?」 
西尾がひきずってきたのはジョーダンズの三又だった。 
「何でこいつやねん・・・でも・・・」 
二人は仕方なく、三又でカツを作る事にした


食事を終えた西尾と嵯峨根は、台所で見つけた一つの小瓶について話し合った。 
それはTake2深沢が瓶に入った白い粉の強力さにおびえて置いていったものだった。 
「きっとウドちゃんこれで殺されたんや」 
「彼の武器は持ち去られてる。ずいぶんと巧妙な(?)殺し方やな」 
「で、これ使える?」 
「使えるんやないの・・・?」 
白い粉の入った小瓶は西尾が持っていく事にした。

【 ジョーダンズ三又 死亡 】
【 X-GUN 合体済 】


   ――――――――――

 
「一歩遅かったか…」 
その頃、マスノのシチューの残りは、マスノを追ってきた集団によってたいらげられていた。 
「っつーか、この肉、何?」「知らねーよ」
「ロクな材料じゃねーな」「食っちゃったよ!どうすんだよ!」 

〜〜〜〜 

長井の命を救ったエレキコミックは、そのまま森を歩いた。 
パニックのあまり黒い肌が真っ赤になった飯塚と、
それを冷めた目で見つめていた豊本に会った。 
「どうせお前は俺のこと殺すんだろ!なぁ!」
いつ裏切りかねない相方に向って 
サバイバルナイフを振り回す飯塚の手に向って投げられた三国志第12巻と第14巻。 
飯塚の手からナイフが落ち、そのまま飯塚は泣き崩れてしまった。

 
「うっとおしいんですけど〜この人」
グチル豊本に、エレキの二人はアルファとの合体を申し出た。 
またキレられたら困る。でも一人で行く勇気はない。
豊本はうなずいた。飯塚も涙目でうなづいた。 
4人再び道を歩き出した。
すると、数百メートルもしないうちに石の上で一人途方にくれている小木を発見。 
「どうにかしてね、どっか行きたいの。でもね、わかんないの。」
これじゃただのボケ老人だよ… 
「やはぎさんは?」「はぐれた」
話を聞くと、アンジャッシュ児嶋とオアシズ大久保と一緒にいたが、 
おぎだけは森の中で迷ったらしい。
やはぎは怪我をしているがまだ一緒にいるらしいとのことだ。 
小木は自分に対して殺意がないとわかった4人を見上げて言った。 
「僕も仲間になりたいの。ダメ?」 「いいけど、虫歯になったら頼むぜ」谷井は笑った。 
「そういえばマスノ、まだいるよな」「日村さんもね」「仁もだね」 5人はつぶやいた。
「あの男もな…」

【 おぎやはぎ小木+アルファルファ+エレキコミック 合体 】


   ――――――――――


「トコさんすげ〜」勝俣は感心しっぱなしであった。 
「勝俣くんもウチのサバイバルチームはいる?」所はかつてSMAPという 
アイドルだった死体を、淡々とトラップから外していた。 
「ノリちゃん、そっちどうぉ?」所が覗き込むと、「木梨この野郎、 
こっちにもよこせよ。」ヒロミとノリタケは、所に教えられたとうり、 
新たなトラップを作っていた。 
「ヒロミく〜ん、ノリちゃ〜ん?」

【木村、仲居、草ナギ、香取死亡】 
アイドルなのでノーカウント。



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