730 :三つ目が通る@陣内
>>344
福田と別れてからだいぶ歩いた。
ねむい。ねむい。ねむい。ねむい。
ねむい。ねむい。ねむい。ねむい。
これ以上立っていられないほどの眠気に襲われる。
そのとき、右足の先に地面がないことがわかる。
俺、がけから落ちて死ぬんか?
それでも・・・良いや・・・。
コバも死んだし俺、これ以上仲間死ぬん見たない。
落ちながら陣内は意識が遠くなって行くのを感じた。
しかしそれは崖ではなく洞穴だった。
陣内はそこでぐっすり眠りにつく。
731 :三つ目が通る@大上
>>791
相変わらず松口はハイテンションなままだ。
松口の口車にのせられて暴れるとは言ったものの
よう考えたらバットと棒で何が出来るねん?
相手が飛び道具もってたら一発で死ぬやんけ。
「なー、松口、武器手に入れへんか?」
「武器??武器やったらもってるやん。」
とうとう松口、頭壊れたか。
「そんなバットと棒で何が出来るねん?あほか。
そんなんやったら暴れる前に死んでまうわ」
立ち止まった松口は大量の武器をリュックの中から取り出した。
「お前・・・これ・・・」
「俺がお前がたおれてる間になんにもしてへんとでも思ってたんか?
お前、俺を誰やと思ってるねん?松口祐樹・ユウキロックやぞ。
baseで1番時間の無駄遣いの嫌いな男や」
そう言いながらリュックに武器をしまおうとしたとき
松口の目があるところで止まった。
「・・・・・陣内・・・・!」
732 :三つ目が通る
(続き)
陣内が洞穴の中で横たわっているのが見えた。
「陣!陣!」呼びかけてみるが返事がない。
陣内の生存を確かめるべく洞穴に入っていく。
「生きてる。」
松口が陣内をゆすると陣内がゆっくり眼を開けた。
「なんや、お前らも死んだんか?一緒に三途の川までいこか」
「何言うとるねん?」
「俺しんだんやろ?」
「生きとるわ!あほか!」
733 :三つ目が通る@陣内
「生きてる?」
良く見るとそこは暗くて汚い洞穴で
つかれのせいか体中がミシミシする。
お腹もすいた。
「お前らも生きとったんか!?」
自分が生きてることを自覚して急に嬉しくなった。
何より信頼できる仲間がいることがうれしかった。
「お腹減ったわー」
何気なくそんな言葉が飛び出した。
こんなときに不謹慎だと言われるだろうか?
しかし「俺も」と笑いながら大上が言った?
「何か食べよ」
すると松口が得意げにリュックの中からいかにも高級そうなハムとパンを取り出した。
俺たちは談笑しながらそれを食べ尽くした。
松口は
「このハム高島屋で1000円で売ってたやつと同じやで。
ただで食べれるなんておとくよな。」
と言っていた。
こんなときにお金の話をするなんて「らしい」なあ。
そのらしさを失ってない2人に出会えたことが本当に嬉しかった。
俺、死ぬんやったらこの2人のために死にたい。
小林君が俺を助けてくれたみたいに。
734 :三つ目が通る@大上
食べ終わってからこのゲームが始まってからどう過ごしてきたか
お互い報告しあった。
俺は腑に落ちない点がいくつかあった。
まず、俺が気を失ってる間の松口の行動がつかめない。
いつ、どこでどうやって武器や食料を手に入れたのだ?
俺を殴ったやつらはどうなってん?
普段やったら松口は頭の回転も早いし世の中上手く渡り歩くタイプやから
特に気にせえへんかもしれん。
でも首なし猫とたむらの1件が大上を不安にさせる。
陣内はたむらの死亡報告にショックをうけ
そんな事まで気が行ってない様だった。
陣内の報告を受けて松口もショックを受けている。
「菅が・・・」
でも大上はどこか普段の松口とは違うと感じていた。
大上、一抹の不安。
735 :三つ目が通る@松口
陣内が田村の墓に言ってあやまりたいと言うので
洞穴を出ることにする。
この洞穴人の目から逃れるのは便利やけど外の音が聞こえへん。
つまり放送が聞けないと言うわけ。
それさえなければ最高の場所やのに。
そう思いながら松口は歩いていた。もちろん先頭で。
すると前から人影が歩いてくる。
良く見えないので度付きのサングラスをかける。
「増田(ルート)や」
あいつは敵か・・・?味方か・・・?
一瞬考えたが答えはすぐ出た。
“敵”
増田の手にコバの人形が握られていた。
しかもリュックを3つも持っていてそれを物色しながら歩いているようだ。
2つのリュックには土がついていた。
あいつ、小林とたむらの墓あらしやがった。
そう思った瞬間心の中で誰かが叫んだ。
「殺せ!」
736 :三つ目が通る@松口
次の瞬間気付くとコバの血がべっとりついた小屋にいた。
状況がいまいちつかめない。 昨日もそうだった。
大上が殴られて・・・あいつらがコバの上に・・・
その後気付いたら大上の看病してた。
俺、まさか、まさか、まさか・・・まさか・・・・・・・・
737 :三つ目が通る@松口
俺、まさか、まさか、まさか・・・まさか・・・・・・・・
まわりを見渡すと陣内がやけにすっきりした格好をしている。
大上の姿が見当たらない。
「大上は?」
「今、風呂に入ってるんやん、何言ってるん?」
風呂・・・・陣内の様子を見てるともう風呂に入ったようだ。
自分の頭を触ってみると少し湿っている。 俺も風呂はいったんか・・・。
落ちつかない。不安。何かしてないと・・・。タバコ吸う。 それでも考えてしまう。
俺は記憶がない間何してんねん?
大上がなかなか風呂から上がってこない。
「あー!あいつ頭!」
そう、大上は頭を怪我している。
血圧上がって倒れてないと良いんやけど。 風呂場に急行。
俺、なんでかしらんけど風呂場の場所一発でわかる。
やっぱり記憶のない間に風呂はいったんか。
「大上〜!頭大丈夫か?」
ばっと扉を開けると普通に大上がきょとんとした顔で風呂に入ってた。
その顔があまりにアホ顔やったんで心配したんがちょっともったいなくなる。
まあ、大上に何事もなくて良かった。
738 :三つ目が通る
【陣内・ハリガネ(大上・松口)合体】
739 :第14回放送
『どうもー、ニッポン放送の荘口彰久です。
第14回目放送の今回は、私がアナウンスを担当させていただきます。
では、さっそく』
第11回>>16
第12回>>285-286
第13回>>491-493
>>494以降の
≪死亡者≫
青木さやか/阿部(アップダウン)/竹森(アップダウン)
川島(野性爆弾)/城野(野性爆弾)/和知(プラスドライバー)
角田(プラスドライバー)/大田(プラスドライバー)
林家正楽/林(坂道コロンブス)/エリ(胡蝶蘭)/あべこ(胡蝶蘭)
原田(ネプチューン)/斉木しげる/梅垣(WAHAHA本舗)
桂歌丸/笑福亭鶴瓶/天野(キャイーン)/ハイヒールリンゴ
あした順子(あした順子・ひろし)/あしたひろし(あした順子・ひろし)
矢部太郎(カラテカ)/桧博明/有野晋哉(よゐこ)
西尾(×−GUN)/嵯峨根(×−GUN)/太田(爆笑問題)
スマイリーキクチ/柳原(アメリカザリガニ)
740 :第14回放送
『すごいですねー今回は。
ネプチューンの原田さんに、爆笑問題の太田さん…
うーん、色んな意味で惜しい人材が“無くなりました”ね。
それと、地味〜に大御所芸人が何人か死んでいったというのも気になります。
それと何か本部で色々とゴタゴタがあったみたいですけど……あ、言っちゃダメ?
失礼しました。
それでは、みなさん頑張って殺しあってください。
では。ニッポン放送荘口彰久でした』
741 :ヒマナスターズ
>>675の続き
「小木さん!!」
そう呼びかけた頃には、小木の後姿はもう見えなくなっていた。
遠のいていく足音と飯塚の声とが廊下に谺し、やがて消えた。
「…どうしよう…どうしよう!なあ!!」
飯塚は涙目になりながら豊本の腕を引っ張った。しかし
豊本は小木の去った方向を凝視したまま動かない。
しばらくの沈黙の後、やっと豊本が口を開いた。
「……飯塚さん」
「何だよ!」
その視線は動かずに、言葉だけが続く。
「燃えてますよね、この建物」
とっさに飯塚は豊本の顔の向く方に目をやった。
薄く白い煙が、こちらに迫ってきているのが見えた。
体中を戦慄が襲った。
742 :ヒマナスターズ
>>741の続き
出し抜けに、窓の外から叫び声が聞こえた。
「何してんだ!!」
今立だった。もの凄い剣幕で呼びかける声が付近一帯に響き渡る。
「聞いてんのか!?おい!早く逃げろ!!」
「……」
豊本は少しの間黙っていた。が、
心を落ち着けるように息を吸い直し返事をした。
それは今立の怪訝な顔をたちまち硬直させた。
「小木さんを追う。だから、先逃げてて」
「………は…?」
今立は焦った。
できることなら、いつもの悪い冗談だと思いたかった。
「…何言ってんだよ!?死ぬぞ!!おい!!」
今までのように、すぐに笑顔で誤魔化してくれればいい。心からそう願った。
だが、返ってきたのは
それまで聞いたこともないような、怒声に近い大声だった。
「いいから逃げろって!!!」
743 :ヒマナスターズ
>>742の続き
思いがけない気迫に戸惑う暇もなく、今立は豊本の決意を悟った。
豊本の腹の中で静かに煮えたぎる、底知れぬ怒りの存在に気付いた。
それは飯塚も同様だった。
「……分かったよ」
一瞬、腑に落ちない表情を見せたものの
今立はすぐに体を半回転させて、谷井と小林の元へと消えていった。
息苦しい風が、豊本の長い前髪を揺らした。
豊本は小さなため息をついた。
らしくない大声を出してしまったことに妙な照れ臭さを覚えつつ、
隣に立つ飯塚の顔を見る。
「どうします?一緒に来ますか?」
飯塚は少し迷ったが、はっきりと言った。
「…行く」
「じゃ、急ぎましょう」
飯塚が黙って頷いたのを確認し、豊本は煙の中へ駆け出した。
あとに残された片桐の死体をちらりと見てから、
飯塚もその後に続いた。
744 :ヒマナスターズ
>>743の続き
受付のカウンターの前で、小木と矢作は対峙していた。
「どういうことだよ」
音もなくじわじわと近づく熱気が、背中に汗を滴らせた。
漂う煙は徐々に空間を埋めていこうとしていた。
「言ったとおりだよ」
動揺を隠せない小木とは対照的に、矢作は平然としていた。
「お前らをここで殺して、この病院を爆破する」
そう言って矢作が取り出したのは、水鉄砲ではなく本物の拳銃だった。
「…それ……!」
「まずはお前からだ」
有無を言わさず狙いを定める。
その時、駆けつけた豊本と飯塚の声がした。
「矢作さん!」
二人の息はまだ荒かった。
矢作は体勢を崩さないまま振り向いた。
「来たな」
能面のような表情のない顔が、二人の目に焼きついた。
遠くで、水滴が落ちる音がした。
745 :ヒマナスターズ
>>744の続き
「妙な仲間意識持ってるお前らなら来ると思ってた。計算通りだな。
これで一気にまとめて殺せるよ。
対抗するような武器も度胸も、お前らにないことは分かってるから」
矢作の顔にしたたかな薄笑いが浮かぶ。しかし、
その笑みの奥には強い劣等感が見え隠れしていた。
薄汚れた鼠のようなどこか卑屈な態度に触発され、
豊本は平常心を保ち続けることを忘れかけていた。
矢作がひとりでこんな計画を立て、実行できるとは思えない。
何か後ろ盾があるはずだ。そう考えると余計に憎悪がつのった。
苛立ちを抑えきれず、豊本は矢作を睨みつけた。
「……誰に頼まれたんすか…」
矢作の反応はない。
豊本はついに逆上して怒鳴った。
「こんなこと誰に頼まれたって聞いてるんですよ!!」
数秒の空白の後だった。
返ってきた言葉に、三人は耳を疑った。
「マスノとヒムケンだよ」
嫌というほど体に迫っていた熱の感覚が消えた。
背筋を悪寒が走った。
746 :ヒマナスターズ
>>745の続き
「な……」
唖然とする三人を見て、矢作は目を伏せた。
「…森の中歩いてたら、ちょうど二人が殺しやってる所に出くわしたんだ」
矢作の脳裏に、ズタズタになったあべこの死体が蘇る。
逃げられるものなら逃げたかった。
が、矢作の両足は鉄のように硬くなっていた。
立ち尽くす矢作にマスノが突きつけたのは
ひとつの交換条件と、それを果たすための拳銃。
唯一の武器が水鉄砲という矢作に、抵抗する術などなかった。
言われるままに、冷笑を浮かべるマスノの手を取った。
「死にたくねえんだよ、俺は」
「……そんな…」
三人は愕然とした。
先ほどマスノたちと交わした和やかな会話が、一瞬にして暗転した。
『マスノくんの言ってた、やり残してることって何だろうね』
小木が何の気なしに言ったその言葉が、
今になって恐ろしい重みを持ち、頭に反響する。
「やり残してたことって…俺らを殺すこと……?」
747 :ヒマナスターズ
>>746の続き
「なんでだよ…」
小木は拳を握り締め、小刻みに震えていた。
悲痛な叫びが響いた。
「なんでだよ!お前の武器は水鉄砲だったじゃん!
なんでそれ持ってて火つけたりしたんだよ!!
なんで…それで火を消すことを考えてくれなかったんだ!!」
絶望でその目には涙が浮かんでいた。だが、そんな小木に
矢作は冷たく言い放った。
「甘えたこと言ってんじゃねえよ」
先ほどの卑しい表情が、自虐的な笑いに変わった。
矢作の目の前で、児島は大久保に殺された。
再び自分を撃とうとした大久保から必死に逃げ回ること数分、
背後のドサッという音に振り向くと、そこには落とし穴があった。
落とし穴を覗き込んだ眼に、助けを求める大久保の姿が映る。
『お願い、助けて!…さっきは悪かったと思ってるから、お願い』
プライドをかなぐり捨て、今の今まで殺そうとしていた後輩に懇願する大久保。
しかし、矢作は”それ”を一日かかって生き埋めにした。
748 :ヒマナスターズ
>>747の続き
自分を撃とうとした人物を信じることなんてできない。
いや、違う。
殺し合いのゲームで、誰かを信じることなんてできない。
心の中で何かが弾けた。
矢作はそれから、ずっと独りで逃げながら生き延びてきていた。
「俺はこれからも生きる」
大久保に撃たれた右脚を擦り、銃を構え直す。
「助かるためには強い奴の言うこと聞くしかねえんだよ!
殺さなきゃ殺されるんだ!!」
矢作はそう叫んで、引き金を引こうとした。
ところが、小木を狙ったはずの銃口がほんの少しずれた。
その先にいたのは、豊本。
”撃たれる”
豊本の頭の中に確信に近い予感が閃いた瞬間だった。
目の前を黒い影が横切った。銃声と共に、影は倒れた。
豊本は目を剥いた。
飯塚だった。
(続く)
749 :ヒマナスターズ
【児島一哉(アンジャッシュ)・大久保佳代子(オアシズ) 死亡】
750 :名無し@参入
>>722-728 の続き
崖の上から斜面を伝って海岸に降りてきた川島は、ずっと血眼になって柳原の死体を捜していた。
柳原が消えた辺りは潮の流れが速いのか、それとも以外と深かったのか。
川島にはその付近で柳原の死体を探し出す事は出来なかった。
自分を馬鹿にした男にそれ相応の報復が出来なかった事に、川島は一度は落胆したが。
…もしかしたら、余所の場所に打ち上げられているかも知れない。
そう考え直した川島は、海沿いの足場の悪い中をゆっくりと歩いていたのだった。
島を4分の1ほど巡っただろうか。日はすでにかなり傾いてきている。
大きい岩を乗り越えて、その先へ向かおうとした時。
川島は不意に眩暈と共に酷い嘔吐感に襲われた。
「何……や?」
数秒の空白の時間の後に。
フッと川島に意識が戻ると、川島は冷たい水の中に倒れていた。
どうやら身体を支える事が出来ずに、岩から足を踏み外したらしい。
しかも転がり落ちる時に岩に額をぶつけたようで、傷口に海水が滲みてやけに痛む。
751 :名無し@参入
「畜生。」
急いで海から陸側に戻り、川島は呟く。
痛みのお陰で眩暈や嘔吐感は多少薄れたようだったが、
海に落ちたショックで手放してしまったようで、大斧が見あたらない。
かといって冷たい海に入って捜す気にもなれず、川島は再び、憎しみを込めて呟いた。
「…あの男のせいや。」
空が青いのも、ポストが赤いのも。
自分がこうして濡れ鼠になってしまっているのも。
全ては自分を馬鹿にした黒髪黒目のあの男のせいだ。川島にはそう思えていた。
とはいえ、このまま延々と夕日に照らされている訳にも行かない。
川島は苛立ちを露わに、浜辺へと足を進めていた。
波が打ち付けては返す中、砂には無数の足跡や血の飛び散った痕が残っている。
その上を、川島は何の感慨もなく踏みつけて歩いていた。
752 :名無し@参入
川島の進む遙か遠くの方に、港の様な施設の姿が見える。
そこでは軍艦とおぼしい大型の船舶が停泊していた。
ちなみにこれは川島の知る由もない事であるが、その船は、このゲームの勝者と
ゲームの運営に関わった人物を乗せて帰るために準備された物である。
突如、船舶の周囲で灯される明かりが川島の視界の中で大きく歪んだ。
「糞っ……。」
吐き捨てるように呟いて、川島は視界が元に戻るまで浜辺にしゃがみ込む。
相変わらず、川島の身体はどうにも不調だった。
何度も何度も酷い眩暈や嘔吐感を催し、腹も下り気味で。
川島も最初こそは、久々に食事をしたせいで胃が受け付けないだけだろうと思っていた。
しかしここまで不調が長い間続くと、さすがにそれだけのせいとは思えなかった。
「これも全て悪いのは………ん?」
気分が悪くなる度に呪詛のように呟いている言葉を、今回も繰り返そうとした時。
川島は、波打ち際で何かが輝いている事に気付いた。
ゆっくりと顔をそちらに向けると、長細い金属の塊が浜辺に打ち上げられているようで。
753 :名無し@参入
砂の上を這って移動し、川島は金属の塊の側に行き着くとそれを手に取った。
金属の塊は、見たところ日本刀のようだった。
刃こぼれ一つ見られない綺麗な刀身に思わず川島が見とれていると、
川島は身体を蝕む不快感が不思議と薄れていくのを感じた。
『…………殺せ。』
「当然や。私は…他の愚鈍な連中とは違う。」
耳元で聞こえたような声に微笑んで答えると、川島はゆっくりと立ち上がる。
もう眩暈も何も感じない。わかるのは、身体の奥底から沸き上がる純粋な殺意。
柳原の事など、川島の頭からはさっぱり抜けてなくなっていた。
抜き身の刀を携えて、川島は海辺から島の中央に向かって歩き出す。
残り少ない命を全て村正の刃に預けて。
754 :名無しさん@お腹いっぱい。
>>509
1回自殺してみたのだが。
助かってしまったからには何とか続けてやる、と思って。
できればでいいが、誰かの為にでも。
500mlのペットボトル。
「水」と書かれたラベルと、中には薄紫色をした液体。
容器の口を、しっかりと閉めた。
「ったく、壊れてるんじゃ仕方ないよなー…」
民家にあった、壊れた炊飯器を見つめる。
深沢は、苦笑いと溜め息をこぼした。
米を研いでいたら出てきた薄紫の液体。
色と、匂いと、プロじゃないからよく解らなかったが、それを「毒物」と判断した。
試験的に、あくまで試験的に。
たまたま通りかかった猫(昔飼われていたのだろうか?)にあたえてみたら、案の定。
苦しそうにうめいた後、ピクリとも動かなくなってしまった。
「コレ…ヤバイな…」
とりあえず、持つことにした。
とりあえず、一応。
755 :名無しさん@お腹いっぱい。
>>754
「痛っ…」
ときたま、体を激痛が走る。
俺の体ってヤバイっぽいんじゃないのか?
なんて考えてもみるのだが。
結局「大丈夫だろう」ということになる。
どーだか。
やっぱり、よくわからない。
「でも死にゃしないだろう…にしても痛いのは不利だよなぁ」
人間1人になると、ホント独り言が多くなるんだなぁ…と、ついでに思ってみた。
自分の体を見下ろす。
包帯。
目覚めたときはグルグル巻き状態だったが、少し大袈裟だったみたいで。
巻き直してみたら、怪我の面積はさほど広くはないことを知った。
ついでだが、顔にはガーゼ。
…たけしが手当てをしてくれたんだろうか?
正直どーでもいいコトだが。
756 :名無しさん@お腹いっぱい。
>>755
それよりも。
──妖刀村正ってのはなー。特定の標的を殺したらもう制御がきかなくなるんだよ
去り際に、たけしが言った言葉。
「何だつまり…泰造が太田を殺したら、完璧に殺人鬼みたくなっちまうわけか?」
つまりヤバイってことか。ヤバイのは泰造でなく村正なのだが。
何だか知らないが、嫌な予感がする。
胸騒ぎってヤツか。
もう1度、頭の中で整理をしてみた。
太田を追っている泰造が持つのが、村正。
泰造を追っている潤が持つのが、俺が持っていた正宗。
深沢は、傍らに置いてある手斧を取ってみた。
──そいつはお前の相方は使わずじまいだった武器だがな
これも、たけし。
「んー……。さて、行くか」
深沢はサックと手斧を持って、民家を後にした。
『泰造と潤、もう1度探すか』
それからしばらくして、放送にて原田と太田の死を知ることになるのだが。
758 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>1スレのどっかの続き≪ビビる大内編≫
このまま餓死するのも、別に悪くないな。
とかいってもこの体、なかなか死んでくれないんだよな。
今日の太陽も傾き始め、日の光で顔がオレンジ色に染まっている。
自分で自分の顔は見えないが、多分そうだろう。
しばらく何も食べてないんで、貧相な顔が痩せてよけい貧相になっている気がする。
ついでに、ホコリだ泥だカサブタだ何だで、服や体が汚いし砂っぽい。
あー、何となくみじめだなぁ…。
大内は、そんな事を思っていた。
洞穴。
程好い湿気と、湧き水。
深くもなく、狭くもなく。
所々に生えているコケ。
休むには、適当な場所だろう。
そう思って、ちょっとのつもりが、ずっとこの場を離れていない。
というか、動いていない。
こんな所でも、太陽の光って入ってくるんだなー。
と、地面に座りながら壁に寄り掛かって、無気力に思った。
759 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>758
あれから、何日か経っているんだろう。
面倒臭いので、今日がいつなのかを数えるのはやめた。
このままこうしていれば、痛くも恐くもなく死ねるだろう。
格好良くはない。が、他の誰かを殺す気も、誰かに殺されるのも嫌だ。
俺にとってコレが、一番無難なんだろう。
…誰も信用できないしな。
一番安心できそうな人に殺されそうになったんだ。
堀内さん、恐かったな。
あの目は、ヤバかった。
人を殺す事を「楽しい」と、思い始めてきたのだろうか。漫画やドラマみたいに。
でも、何処か悲しそうな目だった。気のせいだろうか。
…もうどーでもいいか。
あの人は死んだらしい。
760 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>759
俺もこのまま死ぬか。
「………おやすみ…」
大内は、目を閉じた。
──。
…ここは?
あ、お台場じゃん。
何で?仕事中だったっけ。
何か悪い夢でも見ていた気分だ。
あそこ走ってんの大木じゃねーか。
何だよ、トイレに駆け込むなっての。
あ。
ネプチューんさん。
原田さんと名倉さんと、…堀内さん。
何となく、見たくない顔だ。そんな気がするのは何でだろうか。
てゆーか、あっちは平気で話しかけてきたし。
じゃぁ俺の気のせいか。
何も気にすること無いのか。
普段どうりにしてりゃいいのか。
『あ、どうも……』
──。
761 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>760
まだ俺は死んでない。
なんのこっちゃ。
「……どんな夢だっつーの」
無意味な夢は見ないようにしましょう。
「平和だな、俺…」
767 :ななし
西川きよし「コレは…!」
あてもなくさまよっていたきよしが見つけたのは、
見覚えのあるメガネと青いジャケットだった。
きよし「まさか…まさかアイツが…」
???「よう!キー坊やないか!」
769 :通りすがればいいじゃない
こんな空気の中、あえて続行してみるテスト。
>685つづき
有野の遺体は体温を失い、単なる冷えきった人形になってしまった。
加藤は有野の顔からアイスピックを抜き取ってやり、
鳥に啄ばまれないように茂みの中に遺体を運び終えた。
「クソが・・・」
気を失っていた時間を差し引けば、全てが終わるまでに5分もかかっていない。
生きている者の方が大事だ、と言ったものの、その大事なものはもういない。
俺は、何をすればいい・・・?
770 :通りすがればいいじゃない
>769
喘息の発作で倒れたときに散らばったロケット砲の弾がそのままになっている。
武器は十分すぎるものがある。
生き残るために他の人間を殺せばいいのか?
でも生き残ったところでどうなる?
死体の山の上に築いた命にどれ程の価値がある?
俺は何のために生きればいい?
妻と生まれたばかりの我が子のことを想った。
そうだ、愛する家族のために生還しなければならない。
だが生還しても、血で汚れた手で我が子を抱いてやることができるだろうか?
他人の命を奪った身で、人を愛することが許されるのか?
この自問自答はいつまでたっても終わりそうにない。
その顔に狂犬と呼ばれた面影はなくなっていた。
776 :ヒマナスターズ
>>748の続き
豊本は茫然としていた。
目の前で倒れた影が、紛れもない自分の相方だと理解するまでに
かなりの時間を要した気がした。
「ト…ヨ……」
自分を呼ぶ掠れ声。それは今まで
何度となく左耳に飛び込んできていた声。
たった今床に崩れ落ちたのは他でもない、
いつも隣にいて、事あるごとに自分を容赦なく叩いていた男だった。
「……飯塚さん…」
「飯塚さん!!」
我に返り、しゃがみ込んで飯塚の頭を抱え上げた。
丸く赤い穴のあいた胸元を見て、豊本は青ざめた。
「……ごめんな…」
「え…?」
息も絶え絶えに、飯塚は豊本の顔を見上げて言った。
「俺、ずっと後悔してたんだ…混乱してお前を殺そうとしたこと」
「……」
豊本はサバイバルナイフを手に襲い掛かってきた飯塚の涙を思い出した。
777 :ヒマナスターズ
>>776の続き
あの涙は、てっきり見えない恐怖に対するものだと思っていた。
しかし今思うと、飯塚が一番猜疑心を抱いていたのは
もしかして飯塚自身に対してだったのかもしれない。
そんなことを考えている場合ではないのに、豊本の頭の片隅では
その時の光景が繰り返し回り続けていた。
「しっかりして下さい!」
膝の上に横たわらせた身体からは、確実に力が抜けていく。
げほっという苦しげな声が聞こえると同時に、
吐血が飯塚の服を赤く染めた。
「もう、やばいわ俺……」
「…何言ってんですか!」
必死に肩を揺らしても、飯塚の反応は遠くなるばかり。
薄く開いた眼は、自分の姿をしっかりと捕らえているとも思えなかった。
「単独……もう一回ぐらい、やりたかったな…」
徐々に弱くなっていく呼吸の音。
豊本は思わず声を張り上げた。
「……やりましょうよ!!」
そう言って、
浅黒い飯塚の手を力いっぱい握り締める。
778 :ヒマナスターズ
>>777の続き
「またどっかの劇場借りて、
脚本書いて、フライヤー作って、映像作って、稽古して…っ」
それ以上は続けられなかった。横隔膜が思い切り跳ねたのだ。
それでも、豊本は必死で堪えていた。
滲みそうになる涙をこらえていた。
ここで泣いてしまったら、目の前の現実を受け入れることになる。
今自分が言っていることがすべて、嘘になる。
血にまみれた飯塚の口の端が少し持ち上がり、
精一杯の微笑をつくった。
「………よかった…断られなくて」
程なくしてその意味を理解した豊本は、堪えきれずに泣き出した。
初めての単独ライブ、最終日のエンドトークで
「またやろうよ」と誘われ、冗談で返事を濁したことを
飯塚は心の底で密かに根にもっていたのだった。
779 :ヒマナスターズ
>>778の続き
こんなことになるなら、ちゃんと返事をしておけばよかった。
こんなことになるなら。
「いいづか…さん…っ」
呼びかけた先にある潤んだ瞳は、言葉にならない言葉を語っていた。
”最後の最後まで敬語かよ”
その瞼は間もなく閉じて、それきり二度と開くことはなかった。
780 :ヒマナスターズ
>>779の続き
「う…あああ───っ!!」
擦過音にはっとして豊本は振り向いた。
矢作がその場にへたり込んでいるのが見えた。
矢作は拳銃を使ったことがなかった。ましてや、それで人を殺したことも。
体中が痺れるような衝撃と予想以上の轟音にすっかり気が動転して
矢作は腰を抜かしていた。
あまりの態度の豹変振りに、小木は驚いて矢作を見た。
「…矢作…?」
「……し…死ね!死ね!死ねったら!」
矢作の怯えた目が鈍く光った。
一向に照準の合わない拳銃を握る手はカタカタと震え、
すっかり血の気が引いている。
まるで何かに急き立てられるように次々に発射される弾丸。
しかし、それらはどれも標的を大きく反れて
天井や壁に穴を空けるだけだった。
「…………」
小木の顔に憐れみの表情が浮かんだ。
それと同時に、小木はひとつの決意をした。
781 :ヒマナスターズ
>>780の続き
小木はゆっくりと矢作に近づいた。
錯乱し、引き金を引き続ける矢作。
「来るな!!来るなあああ!!!」
やみくもに放たれる銃弾のひとつが肩を貫き、
勢いよく血が噴き出す。
それでも小木はかまわず歩み寄った。
殺人ゲームという狂気じみた状況に追い詰められて、
弱さを露呈した矢作を誰が責められるだろう。
自分が平常心を保っていられたのは
奇跡的に仲間と出会うことができたからであって、
もしあのまま独りで森をさまよっていたら
自分も矢作のようになっていたかもしれないのだ。
小木の中にあったのは、矢作をひとりにしてしまったことへの罪悪感と
それを償うための小木なりの手段だった。
心は既に決まっていた。
なおも引き金を引こうとする筋張った手を包み込むように握り、
小木は矢作のからだを抱き締めた。
782 :ヒマナスターズ
>>781の続き
「…え…」
震える背中をさする暖かい腕。
「怖がんなくていいよ。俺はここにいるから」
そう言って矢作の肩口に顔を伏せ、小木は歌い始めた。
When the night has come and the land is dark
And the Moon is the only light we'll see
それはある持ちネタの中で使った曲だった。
「……」
跡がつくほど強く心を縛り付けていた糸がふっと切れた気がした。
矢作の眼から涙が滴り落ちた。
背中から浸透する体温に、
こわばった体がだんだん柔らかくなっていく。
息苦しさに時折声を詰まらせながらも
気がつくと矢作は歌の続きを口ずさんでいた。
No I won't be afraid, no I won't be afraid
Just as long as you stand, stand by me
So, darling, darling...
783 :ヒマナスターズ
>>782の続き
コントの中で歌っていた歌を、
まさかこんな場面で再現することになるなんて。
ライブの舞台の上と、もはや煙の充満した空間の中。
二つの対比がどこかおかしくて、悲しくて、
矢作はとめどなく涙を流し続けた。
何を迷うことがあったんだろう。
信頼できる相方と仲間がいると解っていたはずなのに、
どこで歯車が狂ってしまったんだろうか。
心も体も傷つき荒んでしまった自分を責めると共に、矢作は
そんな自分を受け入れてくれた小木の優しさに激しく胸を打たれていた。
できるならこの相方とふたりで、もう一度舞台に立ちたい。
切実にそう思った。
「stand by me…」
歌が終わり、矢作は小さな声で言った。
「…小木」
「ありがとう」
それを聞いて小木は微笑を浮かべた。
行動に移る時がきた、と思った。
784 :ヒマナスターズ
>>783の続き
おもむろに、小木は握り締めた拳銃の握られた手を
そのまま矢作の側頭部に向けた。
「……あ…!?」
銃口を突きつけられ、目を白黒させる矢作の耳元で
静かに囁く声がする。
「アイラブ矢作、だもんな。」
その次の銃声はもう聞こえなかった。
小木の腕の中で、矢作は事切れた。
そして、矢作が動かなくなったことを確認した小木は
今度は自分の額に銃口を向けた。
気付いた豊本が止めようとしたが、遅かった。
785 :ヒマナスターズ
>>784の続き
二人は重なり合うようにして床に倒れた。
「ごめん、豊本」という微かな声が聞こえ、
そこら中の煤が一斉に舞った。
これが自分の出した結論。相方を救うただ一つの方法。
エゴイストでいい、どうしても殺したかった。
矢作を。
自分を。
薄れ行く小木の意識を、最後の思考の流動が過ぎ去っていった。
『夜が垂れ込めあたりが暗くなって
月の光だけが輝いていても
僕はちっとも怖くなんか無いよ
君がそばに寄り添ってくれるだけで
強くなれるんだ だからダーリン
いつもいつも僕の傍にいておくれ』
786 :ヒマナスターズ
>>785の続き
倒れた衝撃でも、奇跡的にズレないまま固定された小木の眼鏡が
一瞬、光った。まるで
豊本の背後に迫る火の手の存在を知らせるように。
「……っ!」
既に煙臭くなった腕で顔を拭い、豊本は走り出した。
目にしみる煙と込み上げる激情で涙が止まらない。
それでも、立ちはだかる白く形のない壁を掻き分けて
豊本はひたすら出口を探した。
その唇は、呪文のように独り言を言い続けていた。
”お笑いバトルロワイヤル”って何だろう。
お笑い芸人として参加したい。極限状態だって笑って迎えたい。
そう思っていたけれど、
飯塚さんも、
矢作さんも、
小木さんも、
みんな死んでしまった。
俺だけが生き残った。
──こんなの、笑えない。
787 :ヒマナスターズ
>>786の続き
追い立てられるようにして、扉にしがみつく。
外側から何らかによって固定され、開かないドアに業を煮やし
豊本は大きめの窓をこじ開けて外に飛び出した。
硬い地面に着地した瞬間、伝わった足の痛みに
自分が生きていることをふと実感しつつ、豊本はなおも走った。
嫌というほどまとわりついていた熱からやっとのことで背中を解放され、
荒らいだ息を整える。
澄んだ空気を思い切り吸いながら、
豊本は自分の言ったことばを反芻していた。
『いいですか?”負けないこと”イコール”戦わないこと”なんです。』
胸の中で、何かが揺らぎ始めているのを感じた。
(続く)
788 :ヒマナスターズ
【飯塚悟志(アルファルファ)
小木博明・矢作兼(おぎやはぎ) 死亡】
789 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>761糞文。
カロリーが足りない。
でも、考えることくらいは出来る。
何だか、吐き気がする。
しかし自分は、このままいつか死ぬ。
だから、体調が云々なんてどーでもいいのだ。
気持ち悪い。
気分が良くない。
この状態は辛い。
…治したい。
今、そんなことを思うなんて。
さっき、死ぬだとか言っていた奴の考えだろうか。
哀れ自分の『意思』というモノはまだまだのようである。
なんでだ。
辛いのは嫌か?
そんなことはない。
今まで、空腹を何のことなしに乗り越えてきていたじゃないか、自分。
俺は死ぬつもりなんだよ。このまま死ぬ気なんだよ。
790 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>789
消化する物が無くなり、仕事の無くなった胃液が、喉のあたりまで染みているのだろう。
コレが吐き気の原因だろう。口の中が苦い。
この島に来てから、自分の健康状態の基準はかなり変わった感じがする。変に丈夫になっていると思う。
でも今の自分は、かなり死に近いところにいる。
あと一歩踏み込めば、死ねるはず。そして一歩退けば、…生きることができる。多分。
そもそも自分は何故「死」を思うようになったのか。
大内は、虚ろな頭で考えた。
それは、単純に“生きててもしょうがない”と思ったからである。
何故、生きるのか。
何故、人を殺さなくてはいけないのか。
何故、笑顔で人を殺せるのか。
死んでしまったら、もう何もないのに。
笑うことも泣くことも怒ることも、人を笑わせることも。
おかしい。
大内は、自分の考えの矛盾に気付いた。
791 :コテハン無し@お腹いっぱい。
>>790
自分の死を望んでいながら、死を哀れみ、殺人を非難する。
結局自分は、あの状況で1人だけ取り残された事で弱気になっていたのである。
あるいは、自己中心的。
「……フ」
自嘲気味に、大内は笑った。
勿体無い。せっかく助かった命。
有効利用しないでどーする。
それに、俺にでもできることはあるはずだ。
「…腹」
…が減った。
たいして思い悩んだワケではないのだが、何となく吹っ切れた感じがした。
久しぶりに腰をあげる。足がフラフラした。
「腹減った…」
この非常なまでの空腹をどうにかしたい。
そう思って、洞穴を出た。久しぶりに。
歩く力はわずかながら残っているようである。
外は薄暗い。夜が近いのか。
生の空気が美味しかった(空腹は満たされないが)。
まさに「生きてるって素晴らしい」である。
「恥ず…」
大内は「無駄に死んではいけない」と思った。
797 :書いていいですか :02/03/21 03:06
こんな空気ですが松口・大上・陣内借ります。
>>738
「なぁ…どうする?」
「せやなぁ」
煙草を燻らしながら、大上、松口、陣内の3人はこの会話を何度も繰り返した。
小屋では、松口の煙草の煙に混じって、コバの血の香りが残る。
陣内はそれに極力目を向けないようにした。
その陣内の視線の先に小さな窓がある。
コバと、この小屋に来たとき何気なく、
扉から逃げられなくてもあの窓なら逃げれるな、と思った窓だ。
その窓に黒い人影が過った―気がした。
気のせいや。
気のせい―?
―気のせいであってくれ―
「陣内?」
大上が顔を覗かせた。
唇を振るわせながら陣内の見る視線の先の小窓を見る。また陣内に振り返る。
「何か、おったか」
松口が陣内に問う。
「気のせいやと思う」
陣内は即座に答える。しかし、それは陣内自身の願望に過ぎない。
798 :書いていいですか :02/03/21 03:10
>>797
目が疲れてるんかもしれん。
せや、俺、目悪いし。
そう思いこんだ瞬間に、次はゆっくりと移動するソレを見つけた。
「あかん!誰かおる!!」
先にそう言ったのは大上だった。
「アホか!デカイ声出すなやボケ!」
松口が小声で怒鳴る。
陣内は―唯、震えるだけだった。
コバが死んだときのことがフラッシュバックする。
その映像のコバヤシが、頭の中で自分に摩り替わる。
前向きに進もうと思ったのに、頭の中では切りかえられて無いようで。
大上の服の裾を少し、握った。
松口がドアの鍵をかける。
それとほぼ同時、ドンドンと強く扉を叩く音がした。
ドンドン、ドンドン。
名乗る気配も入ってくる気配も、今のところ、ない。
799 :書いていいですか :02/03/21 03:11
>>798
「あの窓から逃げよか」
大上が提案する。
幸い全員細身で、その窓から十分抜け出せそうだった。
「そやな。」
陣内が頷き、立ちあがった。大上も次いで立ちあがる。
ただ、松口だけは座り込んだままだった。
「松口、行くで」
大上はまた心配になった。しかし自分には逆らわずに今まで着いてきたのだ。
が、腕をひっぱっても松口は立とうとしない。
ドンドン。
音は一向に止まない。
ドンドン。
「信用できるやつかもわからんやん」
ドンドン。
「陣内先行け。俺、松口説得するから。」
「―嫌や!!」
陣内は自分の声に一瞬にしてどっと冷や汗をかいた。
自分の声は想像以上に大きかった。
『―陣内?』
ドアの向こうの人物が、そう応え、ドアを叩くのを止めた。
800 :85 ◆jy1WXWxQ :02/03/21 04:19
誰の目にも付かない、川の上流の大木に隠れた洞窟の奥。
レギュラーの松本はゲームが始まってからずっとここに、一人でいた。
バトルロワイヤルは、彼にとって他人事のようにしか感じられなかった。
他の芸人達の喧騒を遠くに感じながら、松本はただ一人
淡々と毎日を過ごしていた。
昼間は川で魚を採り、森を少し歩き、定期的に流される放送を聞き、
後は洞窟で眠る。
彼に与えられた武器は、万年筆とノートだった。
ゲームの始まった初日から、松本は日記をつけることが
日課になっていた。
801 :85 ◆jy1WXWxQ :02/03/21 04:20
>800
○月×日
今日からバトルロワイヤルが始まった。
初日なのに、放送で死んだ人たちの名前をたくさん聞いた。
他の人たちは、早速生き残るための戦いを始めたんだと思った。
皆状況に適応する力があってうらやましいな。
僕には他の人たちにできることがどうしてできないんだろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月×日
放送でガブンチョのメンバーがたくさん死んだのを知った。
悲しいのかな?よく分からない。
生き残ってるのは僕のほかには西川君と川島君と田村君だけだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月×日
西川君と田村君も死んだらしい。
西川君。西川君。にしかわくんにしかわくんにしかわくん。
802 :85 ◆jy1WXWxQ :02/03/21 04:22
>801
○月×日
びっくりした。今日、森で川島君を見かけた。
すごく変わってたけど、あれは川島君だったと思う。
すごく痩せてて、服がぼろぼろで刀持ってて、顔は鬼みたいで
髪が逆立ってた。スーパーサイヤ人みたいだった。
血を吐いてた。声をかけたけど気付かずに行ってしまった。
追いかけるべきだったろうか?
松本は今日の分の日記を付け終わるとノートを閉じて、眠ろうとした。
横になって目を閉じると、既に死んだ相方の西川の顔が瞼の裏に
浮かんできて涙が流れる。
死ぬのは恐くなかった。ただいつまでこうしていなければならないのか。
終わりの見えないことが彼にとってはずっと恐怖だった。
803 :書いていいですか :02/03/21 18:04
>>798
その独特の低い声の主は。
「―竹若、さん?」
いち早く気付いたのは陣内自身だった。
「陣内!なぁ!どういうことやねん、あの―」
一拍置いた。
「…たむら」
声が小さくなった。
「他にもいっぱい見たで。徳井とか、フジワラもやし、河本も、宇治原も」
小屋の中の3人は、自分が悪いわけじゃないのに、押し黙ってしまう。
「竹若さん、とりあえず中、入りますか?」
「いや、ええわ」
804 :書いていいですか :02/03/21 18:05
>>803
思わぬ返答に3人は顔を見合わせる。
「何でですのん?」
「―ええから、裏や、裏行け」
「裏って、窓ですか?」
「そうや!はよ行け!はよ出ろ!」
竹若の只ならぬ雰囲気に、3人は順に窓から外に抜け出す。
と、同時に、新しい声がする。
「ここには誰もおらんかったんか?」
その声はバッファロー吾郎の木村であった。
「お前さぁ、ほんっまに信じられる人間探す気無いんか?
誰がコバのこと殺したかなんか、わからへんやん。それを見境無く殺すやなんて」
竹若の説得するような声が聞こえる。
「死にたいんか」
木村が冷たく言い放つ。
木村が竹若を、多分武器か何かで脅してるようだった。
陣内は思った。あのコンビの仲の良さは偽りだったのだろうか、と。
805 :書いていいですか :02/03/21 18:07
>>804
「陣内、行こ」
大上が陣内に耳打ちした。
「竹若さん、見殺しにすんのか?」
「お前、竹若さんが俺らのためにしてくてとること無駄にする気か?」
コバのしてくれたこと。
陣内はそれを思い出し、また一瞬固まってしまう。
コバは自分を生かしてくれた。自分の命を犠牲にしても。
俺はその命を棒に振ることになっても、竹若さんのところに向かうべきか?
それとも自分を生かしてくれる人のため、命を落とすのを見届けるか?
「竹若さんとこ行くわ、俺。二人先行って」
「そんなん」
「気にすんなや」
「あかん陣内!」
大上が今までに無いぐらいの力で陣内を引っ張った。
大上の左手に握られていたのは、松口がどこからか手に入れた双眼鏡。
「おい、なん―」
806 :書いていいですか :02/03/21 18:08
>>805
「おい!そこ誰かおんのか!」
木村が叫んだ。
ああ、竹若の気持ちを無駄にしてしまった、と陣内は思う。
「木村、待て!陣内や、陣内!」
竹若が言う。
「陣内?!ここの小屋におったんちゃうんか、こいつ!コバ殺したんは」
「そんなんすると思うか?!ヘタレの陣内が!」
出来るだけの時間稼ぎをする竹若の声。
それが逃げろの合図。
「大上、何があったんや!」
松口が早く逃げようと言わんばかりに急く。
「ヤバイやつがおるわ―」
「はぁ?!」
「川島、川島がおる」
「おい、出てこいやコラ!先輩命令じゃ!」
木村が叫ぶ。
「俺、言うてくる!」
陣内は小屋の影から体を出し、扉の方に一目散に走っていく。
『陣内!』
ハリガネの二人は同時に叫び、陣内を捕まえようとしたが遅かった。
807 :書いていいですか :02/03/21 18:08
>>806
「木村さん竹若さん、川島がこっち向かってます!」
「関係無いわ」
木村は冷たく言い放つと、陣内の額に銃口を向けた。
「木村、お前はアホやわ」
「何言うてんねん、武器も無いクセに」
木村は発言主の竹若にツバを吐く。
そのとき木村の体が少しよじれ、銃口が少し、陣内からそれた。
「陣内目閉じろ!」
どん、と篭った音がした。
「まだ開けんな!」
パン、と乾いた音。
音が止み、ゆっくりと目を開けてみる。
そこには。
うつ伏せになった丸い背中に、赤い点が出来、赤い水が止めど無く流れる。
木村。
竹若の肩口からは大量に出血してはいるものの、命はあった。
「竹若さん、大丈夫ですか?!」
「俺はええねん、行け」
「そんなんできませんよ!」
「偽善はええ、今そんなんいらん、無礼講や」
「ウソやない!!」
陣内は大声で言った。
ウソはキライだ、ウソをつくなんてもう自分には絶対に出来ない。
810 :三つ目が通る :02/03/27 11:28
(一応調べたんですが多田死んでたらごめんなさい)
(まだコバが殺される前の話)
COWCOW多田がやる気なく歩いていると前方に小屋が見えた。
小屋自体は夕陽に照らされて中に人が居るのかわからない。
ドアの前にはたむらが倒れていた。とりあえず窓越しに中をうかがう。
(陣内さんとコバさんや。あの人ら同期で合流できるなんて運エエなぁ。
よしは死んだって放送されたし2チョの2人も・・・土肥も・・・
他のフル大メンバーとかどうなってるんやろ・・・)
多田がそんな事を考えていると「ドンッ」という鈍い音がした。
この位置からはドアの方は見えないがたむらになにかがあったのだろうことは予想できた。
ドアの方をうかがいに行くとチュート福田がライフルを持っている姿が目に飛び込んできた。
しばらく何かを言い合っているようだったが何を言っているかは聞こえなかった。
そしてしばらくして銃声が鳴り響いた。
811 :三つ目が通る :02/03/27 11:38
ショックだった。目の前で人が殺された事が。
それが知っている人間同士だという事が。
今まで自分は幸運だったのかもしれない。
誰が殺される瞬間も見なかった。それ所か知ってる人間の死体さえ見なかった。
“よしが死んだ”この事実を知ってもそれ程ショックではなかった。
どこかで生きてる。そんな気がした。
自分は死と言うものを・・・バトルロワイヤルと言うものを・・・
完全に理解していなかったのだ。
よく東京に来て自殺したいとほのめかしていた自分をすごく恥ずかしく感じる。
僕は今まで「生きる」ってことをそんなに深く考えていなかった。
「死にたい」って言った時はげましてくれたよしや小堀、修士の分も生なあかん。
そうや。生きるんや。
そう思うと急に生きてることを感じた。
そして空腹でのどが渇いていることを思い出した。
とりあえず生きるために武器がひつようだ。武器を探しに行った後で
もう1度この小屋に戻って来よう。さすがにたむらさんも陣内さんも
その頃には居らんやろ。
812 :三つ目が通る :02/03/27 11:56
多田が銃とナイフ、トランシーバーを手に入れて戻ってくると
小屋の外にはまだたむらが居た。もう1夜明けて空も大分明るんできていた。
どうやら先ほど殺された小林を埋葬しているようだ。
陣内さんはどうしたんだろう?まさかたむらさんが・・・?
ありえない話ではない。半日前、人が殺されたばかりではないか。
それに何より自分が殺るきでいっぱいなのだ。とりあえず話しかけてみよう。
「たむらさん?」
「誰や?」
「多田です。COWCOWの」
「おぉ!」
「お一人ですか?」
「いや、陣内が今、小屋におるねん。あいつ、今はそっとしといてやったほうが
エエとおもて。」
「僕、いまのどからっからなんですよ。
小屋が見えたんで小屋には水あるやろとおもて来たんですけどそれじゃあ入らんほうが良いですかね?」
「いや、一緒に小屋までいこか。陣内もそろそろエエ頃やろ」
813 :三つ目が通る :02/03/27 12:02
小屋まで行ったが小屋の中の陣内はすでにいなくなっていた。
「っかしいなあ・・・。もしかしたらあいつ自殺する気ちゃうか?」
「自殺?」
「そーや。あいつのためにコバが死んだんや。そのせきにん感じて。アホやから。
あいつ。」
「どうします?探しに行きます?」
「あー、そーやな」
とりあえず多田ののどをうるおし外に出る。
陣内が山を下ったかもしれないという事で山道の下のほうを見ていると
ハリガネの2人がこっちに向かっているのが見えた。
(やばいなぁ。アホのたむら1人やったらいつでも片付けられるけど
ハリガネさんと合流されたらやばい。人数も増えるし、松口さんも大上さんも
結構鋭いから、殺意あるんばれるかもしれんしな)
814 :三つ目が通る :02/03/27 12:21
「福田が来よった!」反対側の路を見ていたたむらが叫んだ。
「福田がどうしたんですか?」白々しく聞いてみる。
「コバ殺したんあいつや。俺があいつ殺したる!」
ここでたむらと福田に格闘などされてはハリガネが来てしまうではないか。
それだけは阻止しなければ。
「福田を殺る気ぃなんですか?」
「あぁや(当たり前や)」(←興奮していて舌がまわってない)
しゃーない。たむらにはここで死んでもらうか。
多田は持っていたナイフでたむらを2度刺した。
「なんでや?なんで俺が殺されなあかんねん」
「しょーもないときに福田が来よるからや」
「ヴラァ」たむらが多田に襲いかかる。
多田はたむらのパンチを直でくらった。
あかん・・・逃げな。福田が来よる。
多田はたむらの足にナイフを刺すと藪の中に隠れた。
815 :三つ目が通る :02/03/27 12:36
そしてこのスレの>>46に続く。
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