ふと、目を開けるとそこにはビートたけしが・・・。

たけし「ここにいる皆さんの中で・・・たった一名の”優勝者”が決まるまで
    殺し合いをしてもらいマース!!」
僕達の戦いが始まった!!!


岡村「僕達があのプロジェクトに選ばれたなんて・・・。」
山崎邦生「まじかよ・・・俺、結婚したばかりなのに。」
松本「浜田!何とか言えよ!」
浜田「・・・・ガクガク」


たけし「は〜い皆さん、殺し合いは今からスタートです。質問は
    有りませんね?」
鉄拳「はい!質問!」
たけし「はい、鉄拳君!」
鉄拳「なぜ僕達がプロジェクトに選ばれたんですか?」
たけし「よけいな話はするんじゃない!!!!」
たけしは、投げナイフを鉄拳に投げた。
鉄拳「ぐは〜〜」
ナイフは鉄拳の頭に刺さった。

【 鉄拳 死亡 】

たけし「今からゲームを始めます。さぁ皆さん一斉に逃げてください。」


ゴルゴ松本は必死に海の方に逃げた。


そこには黒い人影、ゴルゴはそれをよ〜く見た。そしてその人影が相方だと解り、
ふおっと肩をおろしたとたん銃声が鳴り響いた。


その銃声の鳴った方へゴルゴは近づくと、そこには江頭2:50が倒れていた。


その頃、ハリガネロックの二人は崖で抱き合っていた。


ゴルゴ「大丈夫ですか!!!!!」
江頭「・・・・・・・・あ、あいつだ・・・ガク」

【 江頭2:50  死亡 】

江頭が指を指した方向を向くと、そこにはゴルゴの相方レッドが立っていた。
ゴルゴ「ま、まさか」


一方、とんねるずの2人と勝又の3人は山の方に逃げた。


レッドはゴルゴに歩み寄り、気がつくと二人は崖で抱き合っていた。

ハリガネロック
TIM          結合


南原は探した。アイツは内Pメンバーと逃げているのか。
笑う犬メンバーに殺されていたりしていないだろうか...

すると、視界が一瞬白く反射した。「何だ?!」
ふと崖の上を見上げると、大多数のオヴァヲタが、白い肌の男の周りを
取り囲んで高笑いしていた。「内村!!!!」

「ナンチャン、あんた邪魔なのよ」「あたし達はウッチャンの為に独身つらぬいてきたの!」
ふと横を見ると、下○らしき女の遺体が転がっていた。「その女みたいになりたいの?!」
「さぁ!ナンチャン、アンタとはおさらばよ!ウッチャンはあたし達のもの!」
「南原ーーーーーー!!!!!!!!」


所詮モームスに頼るしかねーわな


「何?モームス?その言葉、あたしたちの前では禁句よ!」
その発言は内村ヲヴァヲタを逆上させるには十分だった。
「若いからっていい気になるんじゃないよ!」
向こう見ずな厨房、撲殺するヲヴァヲタ達。
ヲヴァヲタの手から一瞬離れた内村は、崖の下の南原めがけて飛び下りた。
いくらなんでも内村を受け止めるのは不可能だ。思わず避けたその瞬間、
丸い何かが南原の横にすべりこんだ。


しかし、何でもなかった


中居「お笑いなんて楽勝、へっへっへへー」
キンキ剛「いや、お笑いはむずかしいですよ
      僕真剣に悩んでますもん」


「内山!!」上々で拾ってもらった子役出身のデブタレントは、
内村を受け止めるべく地面に横たわった。内山の上に落ちた
内村は一回はねてそのまま転がった。どうやら無事らしい。
崖の上からは続々とヲヴァヲタが内村を追って飛び下りているが
そのまま死んでいる。

「オレはピン芸人ではない...どうか....肉を。」
そう言い残して、内山は息絶えた。
もう大丈夫だ...南原は内村を抱き起こし、
そのまま二人で立ち去った。

ウッチャンのヲヴァヲタ
内山くん       死亡

【 ウッチャンナンチャン 結合 】


   ――――――――――


暗い森を疾走している影・・・それはラーメンズの片桐だった。
片桐はうっかり、武器の縦笛を落としてしまった。
しかし、あんなものが武器になるはずもない。一瞬立ち止まった片桐はまた走りだそうとした時
「!」
振り返ると、そこには縦笛を拾った中川家剛が居た。
「あ、あの・・・これ、あなたのですか?」
剛は片桐に近づいた。片桐は何故か赤面して
「か、返せよっ!」と叫んで剛に襲い掛かった。
「う、う、うわああああ!」
剛は思わずパニくって、縦笛を吹いた。

縦笛の綺麗な音が森に響く。直後、誰かの悲鳴。
片桐の額には、毒針が刺さっていた。剛の姿はいつの間にか消えていた。


遠く消えていく記憶の片桐の脳裏に、あり得ないガタッ歯と
まゆげの男の顔が浮かぶ。

「今度の単独ライブも赤字なんだけど〜ちょっと頼むよ〜」
「ラーメンズさまさまだぜ。なっ」
でも…毒針が…。毒が体に回っていく…。
すると、ガタッ歯が自らのやつ歯でぷっと抜き取った。
「この針ちょーあまい」「お前のコレがどうなってもいいのか?」
まゆげの手には、苦労して発売前に手に入れた
R/C TECH ROID MS-06Sシャア専用ザクIIが。イヤだ!!
コイツは壊すかパクるか…ゼリー攻めだ!

急に現実に引き戻された片桐は、あわてて起き上がる。
気がつくと、バカ二人の姿は消えていた。
「…単独。本。ネタ。…どうすんの?」帽子と煙草がトレード
マークの眼鏡の男がぶっきらぼうに話し掛けた。「だいたい
いつまで寝てるの?どうする気なの?」…こわい…怒られた…

片桐は目を閉じた。…やっぱ…寝てようかな…。

【 ラーメンズ  結合 】


   ――――――――――


たけし「稲垣メンバー、優勝の感想を・・・」
稲垣「イーダ、イーダ、アルカイーダ」
たけし「今年の抱負を・・・」
稲垣「テロ、テロ。テロに参加!スマップ全員で。」
たけし「ファンの方にメッセージを・・・」
稲垣「そばめしふりかけタリババーン!」
爆問田中(後輪の下敷き)「・・・なんなんだよタリバ・・・ガクッ」


田代「ふぎゃぁぁぁ・・・ん?夢か」

木の上で眠っていた田代メンバーの夢だった。


   ――――――――――


激しい潮風が吹き付け、遥か眼下では白い波が砕ける崖の上。そこには、
小さな体をさらに小さく丸めた男が1人でいた。
「江頭さん、死んでもうたんや・・・」
第1回目の放送を聞き、混乱する頭を抱えながら必死で立ち入り禁止地区を
チェックする。しかし、ペンを持つ手が震えて仕方がない。
自分の体でありながら思うようにならない事に腹が立ち、男はついにはペンを
海へと投げ捨てた。赤いペンが暗い海面に消えていく様を目で追う。
「皆死んでまうんやな。・・・俺も」
死ぬという事にはさほど恐怖を感じない。だが、人を殺すのは恐かった。


目を閉じれば鮮明に思い出される光景。男の脳裏に焼き付いて離れないのは、
ビートたけしが放ったナイフを額に食い込ませ倒れていく鉄拳の姿だった。
額の『鉄』の字を射抜いたナイフ。それを無造作に引き抜かれ、開いた穴から
溢れ出た血。
もう、あんなものは見たくない。
「しゃーないよな・・・」
傍らに置いていたナップザックを背負い、崖のふちに立つ。奈落の底へと誘う
ひときわ強い風が、足元を掬い上げるように吹く。
自ら命を絶つのだから靴を脱いで揃えて置くべきか、と一瞬悩んだその時、
後方で物音がした。小石を踏み付ける靴の音だ。
「そこにおんの誰や?・・・岡村か?」
岡村は脱ぎかけた靴を慌てて履き直し、声のする方を恐る恐る振り返った。


・・・そこに立っていたのは、岩。
岩の形をした顔を持つ男だった。
岡村は少しこわばった。
「藤本さん・・・・・」
もう何年も前に吉本印天然素材で同じメンバーだった、
一年先輩のFUJIWARA。
「岡村〜!お前大丈夫やったか〜?」
笑みをうかべながら藤本がこちらへ歩き出す。
どうしてだろう。
仲間に会えたというのに、足が震え出す。
「なぁお前原西見たか〜?どぉこ行ってんやろあいつ〜」
とりあえず今は藤本といよう。
どうせ死ぬなら、最後くらい先輩といよう。
足の震えは寒さのせいと、藤本の元々の殺人顔のせいということにして、
岡村は藤本の方へ歩き出した。


「藤もっさん、原西さんといっしょじゃなかったんですね〜!
 矢部見ませんでしたぁ?」
本当は矢部のことなど気になどしていなかったが、適当に話しをあわせる。
足はもう震えていない。
「あ〜矢部おったでさっきな!」
「え、ほんまっすか?!」
少し驚く。矢部と会ったなら何故今こいつは一人でいるのだろう。
岡村は少し立ち止まり、靴をトントン、と整える。
一歩前に出て
「っ矢部、どこいましたか?」
また足の震えがでてきた。足が動かない。
藤本は笑みのまま後ろにしていた左手を前に突き出した。
「・・ココにな」
藤本の左手には痩せた矢部の首から上だけがあった。


岡村は驚愕した。
首だけの矢部の口からは一筋の血が流れていた。
・・10年以上もの付き合い。
これといったケンカもしたこともなく、
わりと仲がいいほうではあった。
しかし。
今、目の前のこと切れた矢部を見て哀の気持ちなど生まれなかった。
それよりも、それを手にしている 藤本。
「・・こいつにはだいぶ悩まされたわ〜。
 当時俺らよりも売れてへんかったお前らの面倒みたってなぁ〜。」
当時、とは、自分らとFUJIWARAが天然素材で
仲間であったころのことだろうか。
「・・・どうして、」
岡村はナップザックを握りしめた。


藤本の足が止まる。
「『どうして』?」
藤本の顔にもう笑みはなく、いつもの殺人顔に恐ろしさがましている。
「どうしてって、フッ、それはもう矢部に言っといたから。
 ・・矢部に会ったら聞いたら?」
岡村は体にぶわっと汗がうかぶのを感じる。
怖い。
つい今ほどまで自ら命をたとうとしていたというのに、
今は目の前の殺人者が怖いなんて。
岡村は後ずさり一歩、後ろを振り返ったが
目の前には波の打つ海だけだった。
 最初からそのつもりだったのだ。
後悔はなかった。何事もやりきったつもりだ。
後ろには追いかけてくる藤本の足音。
前から波の打ちつける音。
岡村は迷いもなく 前に歩き出した。


   ――――――――――


「お前の時代はおわったんだよ、お笑いお化け」
品川のライフルは確実に標準をさんまにしぼっていた。
しかし彼は気付かなかった。
すぐ後ろには庄司がハリセンをもって立っていたのを!


コンビ仲の良いホムチは
2人で身投げ


   ――――――――――


中島知子(オセロ)は、薄暗い森の中を移動していた。
いつのまにか降り出した雨でぬかるむ土を踏みしめ、1歩1歩ゆっくりと進む。
その手には、ナップザックの中に入っていた武器、バタフライナイフが
しっかりと握られている。
「なんでこんなことになんのよぉ・・・」
弱々しく震える声を絞り出し、中島は生い茂る木々の隙間から曇天を見上げた。
手に貼り付いたかのように、離したくても離せないナイフ。薄闇の中に
あっても鈍くきらめくその刃には、拭っても拭いきれない血がこびりついていた。


逃げるように教室を飛び出してから初めて出会ったのは、偶然にも
相方の松嶋尚美だった。いつもマイペースを崩さない気丈な相棒は、
しかし涙で顔をぐちゃぐちゃにしていた。中島も1人きりで泣いて
いたが、馴染みの顔を見て心底から安堵した。
「あんた、無事やったんやね」
中島がそう声を掛けると、まだ中島の存在に気付いていなかった松嶋は
大きく肩を揺らし、今まで見た事のない言い表しがたい目で中島を見た。
その顔に中島が驚いている間に、松嶋はまた新しい涙をこぼしながら
へなへなと座り込む。
「もう、びっくりさせんといてよぉ」
「ごめんごめん」
謝りながら、中島はもう自分が泣き止み、笑みさえ浮かべている事に
気が付いた。仲間というのはこれほどまでに心強いものかと深く実感した
瞬間だった。


「なぁ、一緒におろうや。2人でおったら、なんとか逃げきれそうやん」
中島は涙で濡れた顔を手の甲で拭いながら立ち上がり、松嶋へと歩み寄る。
松嶋はまだしゃくりあげつつ、次から次へと流れる涙を服の袖で拭いている。
「あんたの武器、何やった?あたしのん、こんなんやねんけど」
中島はポケットにしまい込んでいたバタフライナイフを取り出した。
刃渡り15センチほどの普通のナイフ。ナップザックの中にこれを見つけた
時は、女の自分にはあってもなくても変わらないような武器だと絶望したものだ。
しかし、今までにも何度となく窮地を救ってくれた相方と一緒ならそんな事も
関係ない。松嶋1人の存在にこんなにも勇気付けられる自分を少し笑いながら、
自分のナイフへと移していた視線を松嶋へ戻した。
「・・・な、何よ、びっくりするやん」
そこには、黒光りする銃を中島に向ける松嶋がいた。


「わかったから、こっち向けなや。怖いやろ」
「あ、あんたが先に下ろしいや」
「え?」
声も腕も震わせている松嶋の目は、松嶋によく見えるようにと突き出した
中島のナイフを睨み付けている。松嶋が中島を見付けたあの瞬間の、なんとも
言えない表情で。
「下ろせへんの?あたしら、戦うの?」
「な、なんでよ、そんな訳ないやろ!」
「じゃあ下ろしてよ!」
「そ、そうや、せぇので一緒に下ろそ。な?」
「嫌や、あんたが先にして!」
へたり込んだまま、松嶋は髪を振り乱して叫ぶ。
「あんた・・・あたしを信用してへんの?」
「あんたやってあたしの事信用してへんやん!信用してんねやったら、
先にしまえるやろ!」
松嶋の悲痛な金切り声が深い森の中に響く。


中島はナイフを突き出したまま硬直した。
信用していない?
相方を、親友を信じるなら、銃を向けられていようが、この腕は重力に従って
体の横に落ち着くはずだ。
それができないのは何故だろう。
「なぁ・・・せぇのやったらええやろ?あかんの?」
「頼むから言う通りにして!」
松嶋の白い肌は興奮のせいか赤く上気している。そんな松島を眺めているうち、
中島は少しずつ冷め始めた。
「拳銃とナイフやで?余裕であんたの勝ちやんか」
松嶋はうつむいて頭を振る。
「あんただけちゃうんやで。あたしかて怖いねんから・・・」
松嶋は頭を振り続ける。細くしなやかな髪が踊る。
「・・・どこまでわがままなんよ」


中島は松嶋へ1歩近付いた。それに気付いた松嶋が顔を上げ銃を構え直したが、
中島は構わずに2歩3歩と距離を縮める。
松嶋は立ち上がる事もできないようで、尻とひざだけでじりじりと後ずさった。
「それ、こっちに貸し」
「嫌や・・・嫌や!」
「せやったら撃てや!」
中島は大きく叫んで一気に距離を詰め、松嶋の銃の銃身を握って引っ張った。
唯一の武器を掴んで離さない松嶋の体が引きずられ、前のめりになって
中島の足に倒れかかった。体勢を崩した中島は松嶋ともつれ合うように
地面に転がる。


一瞬の出来事だった。2時間のサスペンスドラマならまだしも、現実にこんな事が
起こるとは思ってもみなかった。
中島は冷たく濡れる胸の部分を押さえながら、ゆっくりと立ち上がった。
足元には喉元からナイフを生やした松嶋がいる。
薄く開いた目から涙をこぼし、松嶋は銃を持った腕をゆるゆると上げた。
残り少ない力で引き金が引かれると、銃の先から水が飛び出した。
中島は胸を押さえていた手を握りしめ、その場に膝を付いた。それと同時に
松嶋の腕も力を失い、水鉄砲を握りしめたまま地面に落ちた。
「ごめんな・・・ごめん・・・」
殺すつもりはなかったのだ、とは言えなかった。
いつもいつも好き勝手して光っていた相方と、その影になっていた自分。それでいい、
コンビとはそういうものだと思っていた。2人がわかり合えていれば、信頼し合えて
いればそれでいい、と。
だが、生きるか死ぬかの極限状態に置かれて、結局は信じてあげられなかった。
こんな時にこそ信頼できる仲間が必要なのに。


中島は松嶋からナイフを返してもらい、乱れた衣服を整えて持っていたハンカチで
松嶋の顔を覆ってやった。花柄の、少し派手なハンカチだったが、ないよりはずっと
ましだった。
ナイフの血は、自分のスカートのすそで拭いた。
頬にぽつりとしずくが落ちた。
雨が降り出したのかもしれない。


中島は、つい1時間ほど前の事を遠い過去の事のようにぼんやりと思い出し、
黒い雲に覆われた空を見上げていた。どんどん激しくなっていく雨が容赦なく
顔を叩く。
死ぬべきか生きるべきかをずっと考えていた。答えは出ていない。
こうして逃げていれば助かる訳でもないのだ。なら、1秒でも早くこの地獄から
抜け出したい。そうは思っても、自らに刃を突き立てる事はできずにいる。
松嶋が笑っているのがわかる。優柔不断で小心者の自分を笑っている。彼女に
どれだけ助けられていたか・・・。
中島は疲れた体と頭を休めるため、雨をしのげそうな大きな木の根元に向かった。
ナップザックを肩から降ろし、木の幹に手を掛けてゆっくりと腰を落としていく。


その動作が唐突に止まった。背中への衝撃にがくりと首が揺れた。
「あっれぇ?当たっちゃったぁ」
背後から脳天気な声が聞こえる。
中島は自分の体と木を繋ぐ1本の棒を見下ろした。それから声の方を振り返る。
にじむ視界に、自分に向かってにこやかに手を振る男の姿が映る。
中島は笑みを返した。自分でできなければ誰かに手を貸してもらえばいいのだ。
「ありがとう・・・ケン」
中島はボーガンを片手にぶら下げた堀内健にそう言って、小さく手を振った。
堀内が笑っている。松嶋も笑っている。中島も笑っている。みんな笑っていた。


【 松嶋尚美・中島知子     死亡 】


   ――――――――――


「はぁ〜〜、ほんまにどうっ、うしよ〜〜・・。
 んっく、んな、んなんでこんなこと・・。あぁ〜〜〜っもうっっ!!」
ひどく混乱した頭を整理できないまま、ランディーズの高井はすすり泣いていた。
深呼吸を何度か繰り返し、高井は今自分のおかれている状況を整理せねばと思った。
たしかここは山の中で、少し山道からそれたところにたまたま見つけた洞穴で、
ちょうど高井の身長の倍ほど、身をひそめるには十分すぎるくらいだった。
思えば、ここを見つけることが出来たのは本当に幸運だったと思う。
普段、人のまえではリーダーぶり、男らしいところを見せてきた高井だったが、
本当はここのところ精神的に酷くつかれていて、普通の状態ではなかった。
冷静な判断が出来ない今、山の中をうろうろすることが
危険であることは高井にもわかった。
とりあえず、もう少しここにいて、落ち着いてからどうするか考えることにした。


「・・あ、そういえばこのナップザック・・」
ただガムシャラに走ってきたので
ナップザックの中身のことなど忘れていた。
高井はナップザックの紐をとき、手で中を探ってみた。
大きくゴツゴツしたものを感じ、ひきだしてみる。
「・・・?!なんやこれ・・、こんなもんっ、
 戦えるわけないやんかぁっっ!!!馬鹿にしとんか・・!」
高井は絶望した。人を傷つけるものでなければ勝てるわけがない。
高井は手にしていたものを地面におとした。
情けない泣き声が洞窟内にこだまする。
「もう・・俺も潮時かな・・・」
そうつぶやいた時、高井の目の前に小さな何かが通りすぎた。
すぐにその小さな何かから煙が噴き出し、高井の視界を奪う。
意識が薄れていく。

(毒ガスかぁ・・・・・。誰の武器やろなぁ〜〜・・・。
 どうしようもない、な・・・)

                  外は雨が降り出していた。


   ――――――――――


その時、佐藤は迷っていた。
ずっと悩み続けてきた、自分の未来について・・・
親友のジョージに相談するも、
「センスないんだから、やめちゃえば」、と一蹴。
そこに、永遠のライバル、同郷の好でもある
タケシが現れた。
そして、タケシは去っていった。
「お笑いやめようかな」、
悩み続ける、電通マン佐藤に明日はあるのか!?・・・・


   ――――――――――


バカリズム松下は森の中をひとり歩いていた。
できれば誰にも会わないようにと祈りながら、
ひっそりと歩を進めていた。

できれば誰かと合流をしたかったが、それは
スタート時にできそうにないことが解った。
五十音順で出て行くことになった時、彼は
一抹の不安を感じた。相方のマスノだ。
もし先に出て行った彼が自分を待っていたら?
そう思うと不安でたまらなかった。
彼は今までの経験から、予感していた。

マスノと会っては、一緒になってはいけないと。

その予感は当たっていた。
いつのまにか松下の背後にいた人影は、マスノ
その人であったのだ。

その瞳は獲物を見つけた獣のように光った。
マスノはそっとウージーの銃口を松下に向けた。


   ――――――――――


主催者たけしは某パビリオンで
「お悩みバトルロワイヤル」なる企画もスタートさせていた。
実はたけしは、この「お悩みバトロワ」をメインに全力をそそいでいた。
そして「芸人バトロワ」はあくまでもサブ企画でしかなかった。

青木政司「青木政司86歳。おなやみは?」
佐藤「お笑いやめようかな・・・」
青木政司「うん、やめなさい。
君はもっと夢のあることをやった方がいいですよ。・・・風船おじさんになりなさい。」
佐藤「わかりました。やったー!明日から俺は風船おじさんだー!」

加藤淳「どーもー。加藤淳でーす。今日は何て言うんでしょうか、どう言った悩みかな?」
13人祭り「いや、別に」
加藤淳「ブゥォッフォッフォッフォッ」

たけしは泣きながらパビリオンの起爆装置を押し、
メイン企画に繰り上がった「芸人バトロワ」の続きを見守ることにした。


「あ〜疲れた。何で俺が若手に混じってこんな事せなあかんねん。
ホンマ勘弁してくれよ・・・しかし、腹へったぁ。」
愚痴をこぼしながら歩くさんまの足元に小さな岩の様な物が転がってきた。
「わぁー!ビックリしたー・・・おい、これぇ、青木政司さんやないかい。」
たけしのパクリ企画を了承していたさんまはすぐに気付いた。
「たけしの奴、とうとうやりやがったなぁ。素人までぇぇ。クッソォォ。」
さんまの怒りは頂点に達した。「・・・最後はあいつや・・・」
しかし、疲労と空腹が邪魔をしてその場を動くことはできなかった。
「腹減った・・・動かれへん・・・・・・青木さんスマン」
仕方無く青木政司の生首をむさぼり食うのであった。


最初はためらいもあったが、腹が序々に満たされるのを実感し、
いつの間にか、さんまは青木の生首を食うことに夢中になっていた。
そして無意識に青木の耳を引っ張った次の瞬間、
凄まじい爆音と共にさんまの首が無くなっていた。
その様子を木蔭から見ていたふかわりょうがつぶやいた。
「ふかわ手製の青木爆弾・・・クスクス」
そう言って左腕を激しくかきむしり、その場を立ち去った。


   ――――――――――


岩陰にて、一人タバコをふかすDT松本
「けっ、くだらん。オレが残るにきまってるやん。」
頂点をきわめた者の奢りか、ひたすら隠れ
おいしいところをかっさらう算段か、
武器として与えられた白いタオルを
頭に巻き、紫煙を見つめる。

その時、背後から・・・

額から血を流した浜田であった。

敵か味方か!!!!


   ――――――――――


雨上がり決死隊宮迫博之は、背の高い草が茂る原っぱの真ん中で、
草にまぎれて隠れていた。
「こんなもん、どないせーっちゅーねん!」
ナップザックから出てきたのは「防災バッグ」と書かれた銀の
カバンだった。懐中電灯やラジオ、乾パンなどが入っている。
そのうちのひとつ、防災ずきんを仕方なく頭にかぶり、宮迫は
足元に生えている雑草をブチブチ引きちぎった。
「あかんわ、もうあかんわ。こんなん絶対勝たれへんて。」
涙声で愚痴を垂れ、今朝までの雨が嘘のように晴れた青空を見上げた。
「陸……ごめんな。おまえの父ちゃんは死にます。」
二度目の放送で、ナインティナイン岡村隆史と矢部浩之、あの
明石家さんままでが死んでしまった事を知った。数少ない女、オセロの
二人も死んでいる。何故どうやって殺されたのかはわからないが、
防災ずきんで太刀打ちできる相手などいない事はよくわかった。


とりあえず肉弾戦ならどうにかなるかもしれないと思い、宮迫は
乾パンを食べ始めた。負かした相手が何かいい武器を持っていれば、
奪ってもいいそうだ。何らかの武器を手に入れられれば少なからず
未来は開ける。
「……めっちゃノド渇くわー。」
愚痴っぽい宮迫は不平を垂れつつ乾パンを食べる。腹が減っては戦は
できないのだ。
とその時、そう遠くないところに人の気配を感じた。草を踏み倒して
歩く音がする。宮迫が目から上だけを覗かせてその方向を見てみると、
ウクレレを片手に持った男がトボトボ歩いていた。
「ぐっさんやん。」
男はDonDokoDon山口智充だった。


思わず漏れた宮迫の声に気づいたのか、山口がこっちを見た。
「宮迫さんですか?」
気づかれては仕方がない。なるようになれと宮迫は仁王立ちになった。
「なんですか、そのカッコ。」
「うっさい。おまえこそなんやねん、そのウクレレは。」
「どうやらこれが武器みたいなんですよね。どう考えても普通のウクレレ
なんすけど。」
山口はポロローンとウクレレを鳴らした。
ハズレの武器を当ててしまった者同士、しばらく沈黙が続く。
「……自分、乾パン食うか?」
「あ、いいんすか?」
「なんやぎょうさんあるから食えや。」
「すんません、じゃお言葉に甘えて。」
宮迫と山口は草の中に隠れて乾パンを食べた。

【 宮迫博之・山口智充  合体 】


   ――――――――――


昔からランブルが苦手な松本は途方に暮れていた。いわば半泣き状態。
その時不意にもの凄い足音。振り返るとそこには目を血走らせ猛ダッシュの出川。
松本 「アッカ〜ン!! それアッカ〜ンで〜〜〜!!!」



   ━━━━━━━━━━

≪第1回放送≫
死亡者 鉄拳・江頭2:50・内山くん

≪第2回放送≫
死亡者 矢部(99)・岡村(99)・藤本(FUJIWARA)・原西(FUJIWARA)
     松嶋(オセロ)・中島(オセロ)
     庄司(品川庄司)・明石家さんま



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